マカオ、アフターコロナでギャンブル依存の相談件数が増える…インバウンド旅客向けの啓蒙活動実施へ

 マカオ政府社会工作局(IAS)ギャンブル・ドラッグ依存予防治療室の鄭耀達室長は12月12日に2023年のレスポンシブルゲーミング(責任あるギャンブル)プロモーション閉幕式に出席した際、今年(2023年)1〜9月のギャンブル依存中央登録システムが受け付けた救援要請の数が110件だったことを明らかにした。

 レスポンシブルゲーミングとは、マカオにおいては政府及びギャンブル運営事業者等によるギャンブル依存対策をはじめとする社会コストへの対応を意味する。

 同氏によれば、コロナ禍の間は2桁だったが、コロナ前2019年の年間水準に戻ったとのこと。救助要請者のうちインバウンド旅客が約3割を占めたという。

 同氏は、マカオ政府としてインバウンド旅客による救助要請に大きな関心を抱いており、来年のレスポンシブルゲーミング啓蒙活動においては、「自発的に救助を求めよう」をテーマに、インバウンド旅客を主要ターゲットとした施策を実施する考えを示し、例として過去に比較的有効だったオンライン、オフラインのイベントや写真展などを挙げた。

 このほか、今年1〜10月の24時間レスキュー電話及びオンライン相談窓口を通じた救助を求めた人の数は約2300人で、このうち約7割がネットを利用していたことから、当局として今後はオンラインにおける相談の最適化を図り、救助が必要な人が自発的に連絡しやすいかたちを目指していきたいとした。

 参考までに、マカオの人口は約68万人、インバウンド旅客数は年間約2800万人(政府見込み)。

カジノのイメージ(資料)=本紙撮影

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