マカオ税関が運び屋への密輸品供給拠点摘発…フカヒレ約220キロ押収

 澳門海關(マカオ税関)は1月25日午後、マカオ半島北部・關閘エリアにある工業ビル内に開設された違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)従事者向け商品供給拠点1ヶ所に対する摘発を実施した。

 現場周辺は中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーションに近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘されており、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている場所のひとつ。

工業ビル内に開設された運び屋向け密輸品供給拠点で見つかった乾燥フカヒレ=2024年1月25日(写真:澳門海關)

 税関によれば、情報収集を通じて市内で運び屋への商品供給拠点となっている可能性がある場所に対する内偵調査を進める中、25日午前、關閘イミグレーション出境フロアにある税関検査場の申告物なしレーンを通過した女1人を呼び止めて手荷物検査を実施したところ、乾燥フカヒレ2袋(計3キログラム)を所持していたことが発覚。女は税関の調べに対し、事前にマークしていた關閘エリアにある工業ビル内の商品供給拠点で商品をピックアップし、運搬料名目の報酬を得る目的で商品を携行して出境したことを認めたため、即座に当該商品供給拠点に対する摘発に着手したとのこと。

 摘発時、現場には責任者が1人、見張り役が1人、スタッフが2人おり、中から輸出入に必要な書類のない乾燥150袋(計約220キログラム)、市価にして約80万パタカ(日本円換算:約1473万円)相当が発見されたという。

摘発の対象となった運び屋向け密輸品供給拠点=2024年1月25日(写真:澳門海關)

 本件に絡む密輸品供給拠点の責任者の男1人は香港人で、運び屋の女1人とスタッフ3人はいずれもマカオ人、年齢は28〜61歳。税関では、現場の責任者の男が運び屋を組織して中国本土への密輸出活動を行ったとして上述の5人を対外貿易法違反で起訴、発見した物品全量を押収するとともに、責任者の男が違法就労にあたり、また当該場所の営業許可もなかったとして労工事務局、治安警察局出入境管理部門、財政局がそれぞれフォローアップを行うとした。

 税関では、広く公衆に対して報酬目当てで運び屋行為に従事するようなことがないよう累次の呼びかけを行うと同時に、今後も法執行策を動態的に調整しながら全力を挙げて運び屋による密輸を摘発するとした。

調査のため税関へ身柄を移送される運び屋向けの密輸品供給拠点の関係者ら=2024年1月25日(写真:澳門海關)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局は1月17日、コタイ地区の統合型リゾート(IR)併設ショッピングモール内にある3…
  2.  観光都市マカオにとって、農暦新年(春節/旧正月)シーズンは年間最大の書き入れ時のひとつに数えられ…
  3.  このほどマカオ政府財政局(DSF)が公表した最新統計によれば、昨年(2024年)のマカオにおける…
  4.  澳門海關(マカオ税関)は1月16日、同日マカオ半島の新橋エリアにある衣料品店1軒に対し、著名ブラ…
  5.  資金洗浄(マネーロンダリング)やテロ資金供与の抑止及び取り締まりを担うマカオ警察総局金融情報弁公…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」の新線「横琴線(…
  2.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  3.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  4.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年1月号
(vol.139)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun