マカオ衛生当局が世界結核デーに合わせ市民へ関心喚起の呼びかけ

 世界保健機関(WHO)では、細菌学者のロベルト・コッホが1882年に結核菌の発見を発表した日にちなんで1997年から毎年3月24日を「世界結核デー」とし、マカオでもこの日に合わせて情報発信など政府衛生局(SSM)が医療従事者と市民に対して関心を喚起する取り組みを行っている。

 SSMは、WHOの統計資料を引用し、2022年に世界で新たに1060万例の結核感染例の報告があり、130万人の患者が死亡したほか、多剤耐性結核菌が世界規模で脅威となっていることを挙げ、結核は依然として命に関わる感染症であり、マカオでもWHOのガイドライン及びマカオの現状に即した予防、診断、治療などの対策を講じているとした。

マカオ半島の得勝馬路40號にある結核予防治療センター(写真:SSM)

 なお、マカオにおける結核の予防、治療状況は良好とのこと。発症率は1998年の人口10万人あたり109.1人から2023年には同46.2人と57.7%下落。2023年の新規感染確認例は316例で、およそ半数が65歳以上だったという。治療については、過去20年の治療成功率は平均約94.4%で、WHOによる成功率要求の85%を大きく上回り、マカオの多剤耐性は2%前後の低水準を維持しているとした。

 SSMでは、結核は予防と治療が可能と強調した上、警戒を高く保ち、もし結核が疑われる症状が出現した際には速やかに医師の診断を受けるよう呼びかけた。

医療スタッフによる患者の服薬状況確認の様子(写真:SSM)

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