マカオ税関が中国ボーダー近くに開設された運び屋への密輸品供給店摘発…常温保管の冷凍牛タン約1680キロ押収

 澳門海關(マカオ税関)は4月3日、同月2日にマカオ半島北部・關閘エリアの商業ビル、如意閣商場内に開設された違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)従事者向け商品供給拠点にあたる店舗1ヶ所に対する摘発を実施したと発表。

 現場周辺は中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーション(通称:ボーダーゲート)に近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘され、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている場所のひとつ。

商業ビル内に開設された運び屋向け密輸品供給店で見つかった冷凍牛タン(写真:澳門海關)

 税関によれば、かねてより運び屋の活動状況を注視し、情報収集・分析体制強化を通じて市内で運び屋への商品供給拠点と疑われる場所に対する内偵調査を進める中、2日午後、關閘イミグレーション出境フロアにある税関検査場の申告物なしレーンを通過した男1人を呼び止めて手荷物検査を実施したところ、冷凍牛タン1袋を所持していたことが発覚。男は税関の調べに対し、事前にマークしていた關閘エリアにある商業ビル内の店舗で商品をピックアップし、運搬により報酬を得る目的で商品を携行して出境したことを認めたため、即座に当該店舗に対する摘発に着手したとのこと。

 摘発時、現場には責任者の女が1人おり、店内から冷凍牛タン73箱(計約1680キログラム)、市価にして約11万パタカ(日本円換算:約207万円)相当が発見され、すべて輸出入に必要となる書類のないものだったという。

摘発の対象となった運び屋向け密輸品供給店(写真:澳門海關)

 本件に絡む密輸品供給店の責任者の女(44)はマカオ人、運び屋の男(43)はマカオで就労する海外労働者。税関では、店舗の責任者の女が運び屋を使って中国本土への密輸出し、正当な貿易活動の規制逃れを行ったとし、上述の2人を対外貿易法違反で起訴、発見した物品全量を押収した。このほか、運び屋の男について海外労働者雇用法違反で労工事務局が調査に入り、当該店舗については冷凍食品を常温保管していたことが食品安全法に触れる可能性があり、また営業許可もなかったとして市政署、財政局がそれぞれフォローアップを行うとした。

 税関では、本件を受けて広く公衆に対して報酬目当てで運び屋行為に従事するようなことがないよう累次の呼びかけを行うと同時に、今後も法執行策を動態的に調整しながら全力を挙げて運び屋による密輸を摘発するとした。

調査のため税関本部へ身柄を移送される運び屋向けの密輸品供給店の責任者(写真:澳門海關)

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