マカオ税関が中国ボーダー近くの商業ビル内に開設された運び屋向け密輸品供給拠点1ヶ所摘発…冷凍肉など食材895キロ発見

 澳門海關(マカオ税関)は8月3日、同月2日夜にマカオ半島北部・關閘エリア所在の商業ビル・關閘天地内に開設された違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)従事者向け商品供給拠点1ヶ所を摘発したと発表。

 現場周辺は中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーション(通称:ボーダーゲート)に近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘され、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている場所のひとつ。

摘発を受けた密輸品供給拠点から見つかった食材(写真:澳門海關)

 税関によれば、運び屋を使った密輸活動に対する監察及びパトロールを強化して臨む中、密輸品とみられる食材が搬入された疑いがある店舗に狙いを定め、2日夜に立入検査を実施。店内から冷凍ガチョウ手羽約675キログラム及び活ロブスター約220キログラムの計約895キログラム、市価にして約19万パタカ(日本円換算:約346万円)相当を発見・押収するとともに、店の責任者の男1人を取り押さえたとのこと。

 店舗の責任者の男は55歳の中国本土居民で、運び屋を組織して中国本土へのハンドキャリーで密輸出させ、正当な貿易活動の規制逃れを図ったとして対外貿易法違反で起訴。また、男が違法就労だったこと、当該店舗が営業許可証なしで営業していたことも発覚したほか、食材が室温下で放置され、温度管理が不適切だったことが食品安全法に触れる可能性があり、それぞれ関係当局が調査を進めることになったという。

密輸品供給拠点に対する摘発の様子(写真:澳門海關)

 税関では、本件を受けて広く公衆に対して報酬目当てで運び屋行為に従事するようなことがないよう累次の呼びかけを行うと同時に、今後も法執行策を動態的に調整しながら全力を挙げて運び屋による密輸の摘発を進める考えを示した。

 アフターコロナでマカオと外地の往来が正常化した昨年の年初以来、マカオでは運び屋が絡む食材の密輸出事案の摘発が頻発しており、活ロブスターや冷凍肉類などが目立っている。

調査のため税関本部へ身柄を移送される運び屋向けの密輸品供給店の責任者(写真:澳門海關)

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