マカオ税関が中国ボーダー近くに開設された運び屋向け密輸品供給拠点摘発…中古ノートパソコン280台発見

 澳門海關(マカオ税関)は8月21日、同月20日夜にマカオ半島北部の台山エリアに開設された違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)従事者向け商品供給拠点の店舗兼倉庫を摘発したと発表。

 現場周辺は中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーション(通称:ボーダーゲート)に近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘され、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている場所のひとつ。

 税関によれば、運び屋を使った密輸活動に対する監察及びパトロールを強化して臨む中、
10日午後に關閘イミグレーション出境口にある税関検査場で検査対象とした男が中古ノートパソコン1台とこれに絡む運搬代行のレシート1枚を所持していたため事情を聞いたところ、上述の店舗でピックアップし、報酬を得て越境運搬に従事したことを認めたため、即座に摘発をおこなったとのこと。

 摘発時、店舗には責任者の男がおり、隣にある倉庫内と合わせて中古ノートパソコン280台、およそ77万パタカ(日本円換算:約1400万円)相当が見つかった。

摘発を受けた密輸品供給拠点から見つかった中古ノートパソコン(写真:澳門海關)

 当該店舗兼倉庫の責任者の男(72)と運び屋の男(26)はいずれもマカオ人。税関では店舗兼倉庫の責任者の男が運び屋を組織して中国本土への密輸出し、正当な貿易活動の規制逃れを図ったとし、運び屋の男とともに対外貿易法違反で起訴、発見した物品全量を押収するとともに、営業許可証なしで店舗を開設していたとして財政局による調査が進められることになるとした。

 税関では、本件を受けて広く公衆に対して報酬目当てで運び屋行為に従事するようなことがないよう累次の呼びかけを行うと同時に、今後も法執行策を動態的に調整しながら全力を挙げて運び屋による密輸の摘発を進める考えを示した。

 アフターコロナでマカオと外地の往来が正常化した昨年の年初以来、マカオでは運び屋が絡む密輸事案の摘発が頻発している。

密輸品供給拠点に対する摘発の様子(写真:澳門海關)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ金融管理局が9月11日に公表した今年(2024年)7月の住宅及び商業物件向けローン関連統計…
  2.  マカオ治安警察局は9月10日、同月4日に路線バスの車内で乗り合わせていた30代地元女性へ痴漢行為…
  3.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)は同空港のオープンに合わせ、1994年9月13日に…
  4.  澳門海關(マカオ税関)は9月10日、違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)に対する取り締まりの一環…
  5.  マカオの統合型リゾート(IR)運営企業ギャラクシーエンターテインメントグループ(GEG)は9月1…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年9月号
(vol.135)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun