マカオの高齢者が相次ぎ電話詐欺被害…香港の犯罪グループが関与、受け子の男逮捕

 マカオ司法警察局は9月11日、マカオの高齢者を狙った特殊詐欺(電話詐欺)事案に関与したとして30代の香港の男を逮捕したと発表。

 同局によれば、同月4日、男性宅の固定電話に”娘婿”を名乗る人物から電話があり、相手は傷害事件の賠償金として急きょ現金10万パタカ(日本円換算:約178万円)が必要になり、追って弁護士が受け取りに行くので用立ててほしいと話し、男性は話を信じ、自宅前で”弁護士”を名乗る男に手渡したという。その後、同じ”娘婿”から電話で追加の要求があり、男性は4日に5万パタカ(約89万円)、5日に7万パタカ(約125万円)を同じ男に手渡したが、娘婿の状況が気になって娘に電話を入れたところ、詐欺被害に遭っていたことに気づき、同局へ通報するに至ったという。男性の被害総額は22万パタカ(約392万円)に上った。

 通報を受けた同局が捜査に着手し、香港の電話詐欺グループに属する受け子の香港人の男の身元を特定するとともに、この男が10日に再びマカオ入りして別のマカオの高齢女性から同様の手口で現金15万パタカ(約267万円)を詐取していたことも判明。同日夕方、男が港珠澳大橋マカオ側イミグレーションから出境するところを逮捕に成功したとのこと。

 男は同局の調べに対して協力を拒否しているというが、男は詐取したものとみられる現金15万パタカを所持しており、男を巨額詐欺及び組織犯罪の罪で検察院送致するとともに、他の関係者、また現金の行方について捜査を継続するとした。

 マカオでは今年(2024年)5月以降、香港の犯罪組織が関与したとみられる電話詐欺事案が相次ぎ発生しており、同局は電話詐欺に関する累次の注意喚起情報を発出している。

警察が公開した特殊詐欺事件の証拠品(写真:マカオ司法警察局)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ政府衛生局(SSM)は10月15日夜、マカオ域内で今年(2024年)11人目の輸入性デング…
  2.  マカオ金融管理局は10月15日、今年(2024年)9月末のマカオ特別行政区の外貨準備高(外匯儲備…
  3.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  4.  マカオ生産性・技術移転センター(CPTTM)は10月14日、マカオ招商投資促進局と合同で同月16…
  5.  マカオ国際空港の運営会社にあたる澳門國際機場專營股份有限公司(CAM)は10月14日、世界各地か…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  4.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  5.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年10月号
(vol.136)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun