マカオ税関が中国ボーダー近くの雑居ビルに開設された運び屋向け密輸品供給拠点摘発…冷凍牛もつ1200kg発見

 澳門海關(マカオ税関)は9月25日、前日(24日)夜にマカオ半島北部・祐漢エリアの騎士馬路にある雑居ビルに開設された違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)従事者向け商品供給拠点の店舗を摘発したと発表。

 現場周辺は中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーション(通称:ボーダーゲート)に近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘され、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている場所のひとつ。

 税関によれば、通報による情報及び近日検挙した密輸事案の分析と追跡を進め、ターゲットを絞り込む中、24日午後に税関職員が当該雑居ビルのG階(路面階)にある店舗をパトロールしていた際、運び屋向けの密輸品供給拠点とみられる店舗を発見したことから、即時に摘発を実施したとのこと。

雑居に開設された密輸品供給拠点に対する摘発の様子=2024年9月24日(写真:澳門海關)

 摘発時、店舗には責任者の男1人がおり、店内から輸出入に必要となる書類のない冷凍牛もつ1200キログラム、市価およそ14.4万パタカ(日本円換算:約260万円)相当が見つかったという。

 店舗の責任者の男(26)はマカオ人で、税関ではこの男が運び屋を組織してハンドキャリー方式で中国本土への密輸出を行い、正当な貿易活動の規制逃れを図ったとし、対外貿易法違反で起訴、発見した物品全量を押収するとともに、食材の保管状況(温度管理)が食品安全法に触れる可能性があるとして市政署に通報したほか、営業許可証なしで店舗を開設していたことも発覚したため、財政局が調査を進めるとした。

 アフターコロナでマカオと外地の往来が正常化した昨年の年初以来、マカオでは運び屋が絡む密輸事案の摘発が頻発している。昨年から直近にかけてマカオから中国本土への密輸出で摘発されたケースについては、牛もつやロブスターといった食材と中古スマートフォン、CPUといった電子製品が目立つ。

詳しい調査のため税関本部へ連行される密輸品供給拠点の責任者の男=2024年9月24日(写真:澳門海關)

関連記事

最近の記事

  1.  インバウンド旅客の大半を中国本土からの旅客が占めるマカオにとって年間最大の書き入れ時のひとつとな…
  2.  マカオ司法警察局は10月7日、勤務中に少なくとも60万香港ドル(日本円換算:約1143万円)分の…
  3.  マカオ政府統計・センサス局は10月7日、今年(2024年)6〜8月期の住宅価格指数を公表。 …
  4.  澳門海關(マカオ税関)は10月6日、同月5日にマカオ国際空港の到着口にある税関検査場で未検疫の大…
  5.  マカオ治安警察局は10月6日、自動車の運転者と歩行者の安全を確保するため、マカオ域内の各所でキッ…

ピックアップ記事

  1.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  5.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年10月号
(vol.136)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun