マカオ、違法賭博犯罪対策法施行から1ヶ月の成果発表…「換銭党」84人逮捕

 近年マカオでは「換銭党」と呼ばれる違法両替従事者が主にカジノ施設内外で暗躍し、暴力、詐欺、窃盗、密航などさまざまな事件を引き起こしてきたことから、犯罪の温床として社会的問題化。中国本土の公安当局は今年(2024年)5月からこれを撲滅するための包括的な作戦を展開しており、マカオ司法警察局でも積極的な協力と連携を強化して共同で対応にあたっている。

 また、対策の一環として、換銭党による賭博用途の両替行為を刑事罰の対象とするマカオの新法「打撃非法賭博犯罪法(違法賭博犯罪対策法)」が今年10月29日に施行された。

 マカオ司法警察局と中国の国家公安部は12月13日午前、換銭党に対する共同作戦の成果について同時発表を行った。

 マカオ司法警察局によれば、同法の施行日から前月(11月)30日までの約1ヶ月間で賭博用途の違法両替に従事した男女84人(内訳は中国本土居民74人、香港居民1人、マカオ居民9人)を逮捕するとともに、違法両替資金の1000万香港ドル(日本円換算:約1.9億円)近くを押収したとのこと。

 同局では、今年5月に中国本土の公安当局が中国本土の多くの省市及び同局と共同でマカオの換銭党撲滅作戦を展開して以来、マカオのカジノ施設内と周辺における違法両替活動は著しく縮小し、これに起因する両替詐欺事案も減っている状況を挙げ、結果は良好であり、作戦が奏功しているとの見方を示した。さらに、マカオにおける同法施行により換銭党による賭博用途の両替行為が刑事罰となったことで、同局による効率的な取り締まりが可能となり、今後は換銭党の生存余地が一層縮小するだろうとした。

マカオ司法警察局による会見の様子=2024年12月13日(写真:マカオ司法警察局)

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