違法宿泊施設や薬物犯罪に対する厳罰化求める声—マカオ

急速な経済発展に伴い、近年マカオでは国際化が進んでいる。そんな中、新型犯罪の出現も後を絶たない。昨今、地域社会から特に関心を集めているのが違法宿泊施設と薬物関連犯罪だが、いずれも刑罰が軽く、抑止効果がないと厳罰化を求める声が高まっている。

11月2日付地元有力紙「澳門日報」が報じた。違法宿泊施設については、2010年に「違法宿泊施設提供禁止法(禁止非法提供住宿法律)」が施行されたが、依然として違法宿泊施設が多数存在しているとされ、より目立たないよう手口が巧妙化しているという。統計資料によると、法律の施行後、2014年4月までに当局が封鎖した違法宿泊施設は501軒にも上り、そのおよそ半数で刑事事件に絡む犯罪が摘発された。違法宿泊施設が犯罪の温床となっているにもかかわらず、政府が法改正による厳罰化に対して曖昧な立場を変えないことに対する地域社会不満の声が少なくない。

薬物犯罪についても、マカオでは死刑や無期懲役の対象とならず、近隣地域と比較して刑罰が軽いことから、マカオが世界的な薬物の中継基地になりつつあるとの指摘がある。2009年に施行された「薬物禁止法(禁毒法)」の改正による厳罰化を求める声は、検察長など政府内からも出ているという。

合法宿泊施設への宿泊を呼びかけるチラシ(旅遊局ウェブサイトより)

合法宿泊施設への宿泊を呼びかけるチラシ(旅遊局ウェブサイトより)

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