日本企業対象のカジノ機器OEMコンサルタント会社がマカオに発足

米国に本社を置くZANN GROUP(OTC米国店頭公開、本社:ネバタ州ラスベガス)マカオオフィスが、日本・台湾・韓国のゲーミング・アミューズメント機器開発会社と提携し、カジノ産業に参入を検討している日本企業を対象に、カジノマシンOEMコンサルタントを開始すると発表した。本紙の取材に対し、正式なスタートは、2015年1月の予定だが、すでに日本企業数十社からの問い合わせがあるとしている。

カジノマシンの開発には、数十億円以上ともいわれる膨大な開発費、開発時間がかかるなど、開発経験のない企業にとっては、デメリットが多すぎるのが実情だ。同社は、提携企業とのオリジナルマシンの企画製造を開始しており、既にGLI承認済マシンも数十機以上完成させているという。

同社によると、今回のカジノマシンOEMコンサルタント会社の発足理由の一つとして、先進国といわれる国でカジノ産業が存在しないのは日本だけであり、日本が生き残るには外貨獲得、つまりカジノ産業も一つの手段であるが、カジノ法案も実体法も定まらない日本でのカジノ事業に疑問を抱いたことを挙げている。また、日本でカジノ産業に精通している企業が少なく、世界のカジノ導入国・地域から見た日本は、ギャンブル後進国とまでいわれているのが現実とのこと。さらに、パチンコ業界とカジノ業界の違いについて、前者は娯楽、後者は賭博だとし、日本の賭博法は矛盾だらけであり日本特有だと話す。

そこで、将来のパチンコ、パチスロ、アミューズメントメーカーが生き残る道は、世界のカジノ市場にいち早く参画するしかないと考えているようだ。日本のパチンコ、パチスロ機では、GLI(世界の97%を占めるカジノマシン機審査機関)の定める基準に満たないことは明白であり、パチンコ、パチスロ機がカジノ産業へ参入することは技術上、不可能と言われてきたが、今回、各提携企業の協力により、カジノ産業に参入するためのカジノOEMコンサルタント会社を発足させたという。大幅な開発費、開発時間の短縮によってデメリットの軽減につながれば、日本企業のカジノ産業への進出も加速しそうだ。

今後、日本を代表するカジノマシン企画開発会社が誕生すれば、マカオ、アジアのカジノ市場から世界市場への展開も期待できそうだ。

同社は、カジノOEMコンサルタント事業利益の一部を寄付金として、カジノ産業育成ベンチャー基金を設立するとともに、日本カジノ産業の発展に貢献していきたいとも話す。同時に、日本企業の世界カジノ産業進出プロジェクトも進めており、業種を問わず賛同協力企業も募集しているとのこと。

カジノ付大型IR(統合型リゾート)施設が建ち並ぶマカオ半島・新口岸地区(イメージ)—本紙撮影

カジノ付大型IR(統合型リゾート)施設が建ち並ぶマカオ半島・新口岸地区(イメージ)—本紙撮影

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