高級品販売落ち込み顕著、VIPカジノ不調と一致=マカオQ3小売販売額3%減

マカオ政府統計調査局は11月24日、今年(2014年)第3四半期のマカオの小売業販売総額が158.2億パタカ(日本円換算:約2349億円)となり、第2四半期から3%の下落だったとする最新統計結果を発表した。販売総額に占める品目の内訳は時計及びジュエリーが41.1億パタカ(約610億円)で全体の26%を占め、百貨店向け製品が17%、皮革製品及び成人衣料がそれぞれ9%、スーパーマーケット向け製品が7%、自動車が6%と続いた。

第3四半期の小売業販売総額は前年同期と比較して1%減。品目別では、時計及びジュエリーが15%、革製品が11%、自動車が11%のそれぞれ減。一方、中国スタイルの食品土産が49%、靴が39%、家電が28%のそれぞれ増となった。

価格要素を除いた、今年第3四半期のリテール業販売量は前年同期比2%減。品目別では、海産物が27%、家具及び照明用品が19%、時計及びジュエリーが14%、革製品が14%、自動車が13%のそれぞれ減。一方、靴と中国スタイルの食品土産がそれぞれ41%、38%の増となった。

販売売上総額、販売量ともに、高級品と普段使いできる日用・実用品で浮沈の差が際立つ結果となった。今年6月以降、中国本土の富裕層を顧客基盤とするVIPカジノ売上の不調が続く動きと一致する。一方、中国本からマカオを訪れる旅客数は上昇を続けており、土産物や日用・実用品の消費増につながったとみられる。

なお、今年1〜9月の累計小売業販売総額は前年同期比6%増の505.6億パタカ(約7450億円)、小売販売量は前年同期比7%増で、いずれもプラスを確保できている。

小売業者に対する聞き取り調査の結果では、第4四半期に向けて商品販売数量が増加すると回答した業者が27%で、減少としたのは19%を上回った。

観光客で賑わうマカオ歴史的市街地区のストリート(イメージ)=マカオ・大三巴街—本紙撮影

観光客で賑わうマカオ歴史的市街地区のストリート(イメージ)=マカオ・大三巴街—本紙撮影

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