79日間続いた香港デモ隊の道路占拠に終止符=マカオでは返還記念日にデモ計画浮上

今年(2014年)9月末から2ヶ月以上に渡って香港市街地で続いてきたデモ隊による道路占拠だが、近日警察当局により相次いで大型拠点の強制撤去が実施されてきた。

香港警察当局は12月15日午前、デモ隊による最後の道路占拠エリアとなった香港島の繁華街、コーズウェイベイ(銅鑼灣)でバリケードなどの強制撤去に着手。また、午後には同じく香港島の政府庁舎の建ち並ぶアドミラリティ(金鐘)にある香港立法会敷地内で座り込みを行っていたデモ隊についても、職員や警備員らによる勧告を受け入れ、警察の介入なしに解散したという。79日間続いたデモ隊による道路占拠に終止符が打たれた。

香港警察当局によると、79日間の道路占拠期間中の逮捕者数は955人、自首した者は75人に上ったという。

中国中央政府の香港出先機関、中央人民政府駐香港特別行政区連絡オフィス(中連弁)の報道官は、香港警察当局による一連の強制排除を支持するとのコメントを発表。また、占拠行為は香港の法治を踏みにじる行動であり、社会秩序の厳重な破壊にあたるなど、今回のデモ隊の行動を厳しく批判した。

79日間に及ぶ香港の道路占拠に終止符が打たれたこの日、マカオの市民派政治団体「新澳門学社」がマカオの本部で記者会見を開き、12月20日のマカオ返還記念日に市街中心部でデモ行進を行うことを発表した。マカオの政府系放送局TDMが報じた内容によると、新澳門学社は香港のデモ隊と同様の政治改革、行政長官選挙への普通選挙の導入をテーマに掲げる予定とのこと。ただし、同団体の蘇嘉豪理事長は、参加者数は予測できないとコメントしたという。記者会見には同会派所属の呉国昌マカオ立法会議員らが同席した。

なお、12月20日はマカオ返還15周年記念式典、第4代マカオ行政長官就任式など開催され、中国の習近平国家主席がマカオを訪問することが決まっている。すでに、マカオ入管当局が香港の記者や道路占拠関係者の上陸を拒否しているとの報道もある。厳戒態勢の中、新澳門学社が計画するデモ行進が実現するか否かに注目が集まる。

多数のテントが並ぶ香港島・アドミラリティの道路封鎖現場(資料)=2014年10月18日

多数のテントが並ぶ香港島・アドミラリティの道路封鎖現場(資料)=2014年10月18日

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  目下、マカオ・コタイ地区にある東亜運動会体育館(通称:マカオドーム)で卓球の「WTTチャンピオン…
  2.  マカオ治安警察局は9月13日午後の定例会見で、マカオ滞在中に盗撮行為を繰り返したとして50代の日…
  3.  マカオは今年(2024年)五年に一度のマカオ特別行政区行政長官選挙イヤーを迎えている。マカオ行政…
  4.  マカオ治安警察局は9月12日、マカオの路上で香港の宝くじに相当するマーク6(六合彩)を販売した6…
  5.  マカオで複数の統合型リゾート(IR)を運営するSJMリゾーツ社とマカオ美術協会が主催するアートラ…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年9月号
(vol.135)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun