拾った現金自慢「マカオで豪遊」SNSに投稿の男を逮捕=香港現金輸送車7億円落下事件

12月24日、香港のビジネス街にある幹線道路上で現金輸送車が7億円分の現金を落とし、通行人らによっておよそ2億3千万円が持ち去られるという事件が発生した。香港警察当局では、拾得者に対して速やかに届け出をするよう呼びかけると同時に、25日から窃盗事件として本格的な捜査に着手している。

香港の日刊紙「アップルデイリー」などが12月27日付紙面で報じた。香港警察は25日夜、タクシー乗車中に現場付近を通りがかった際、下車して現金を拾って自宅に持ち帰った疑いで男女各1名を逮捕したのに続き、26日夜、事件発生当日に現場で拾った帯封付きの札束50万香港ドル分(日本円換算:約750万円)の写真とともに「クリスマスはマカオで豪遊する」などと「自慢の声」をSNSに投稿していたとされる蔡容疑者(23歳・男)を逮捕したことを明らかにした。

警察の調べに対し、蔡容疑者は現場で現金を拾得したこと、マカオを訪れたことの双方を否認しているという。警察による家宅捜索では、現金を発見できなかったというが、マカオ往復のフェリーチケット、パソコン及びタブレットPCなどを押収したという。警察では、蔡容疑者が投稿したとされる写真が本人が撮影したものか、他のサイトから転載したものなのか、またマカオ渡航の有無などについて、詳しい調べを進めているという。

香港警察の発表によると、26日午後10時までに拾得した現金の届け出を行った人は40人、返還総額は639万6千香港ドル(約9900万円)という。依然として、約867万香港ドル(約1億3千万円)が行方不明のままとなっている。警察では、事件の目撃者や写真を撮影した人に対し、資料の提供を呼びかけている。

7億円を落下させた現金輸送車は、中国銀行(香港)が大手警備会社G4S社に委託していたもの。現金輸送車に乗っていた運転士、警備員ら4人の背景、経済状況、業務記録に関する調査も進められているという。

1千香港ドル紙幣の束(資料写真)—本紙撮影

1千香港ドル紙幣の束(資料写真)—本紙撮影

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