マカオの2019年通期カジノ売上約3.9兆円…対前年3.4%減=3年ぶり前年割れ

 マカオ政府博彩監察協調局は1月1日、昨年(2019年)12月のマカオの月次カジノ売上について、前年同月から13.7%、前月から0.2%のそれぞれ減となる228.38億マカオパタカ(日本円換算:約3085億円)だったとする最新統計を公表した。

 マカオの月次カジノ売上は2014年6月から2016年7月まで26ヶ月連続で前年割れだったが、2016年8月から2018年12月まで29ヶ月連続で対前年プラスを維持。その後、2019年は1、3、4、7、8、10、11、12月がマイナス、2、5、6、9月がプラスとなっている。

 昨年通期のカジノ売上は前年から3.4%減の2924.55億マカオパタカ(約3兆9498億円)で、マイナス幅は前月終了時点から1.0ポイント拡大。3年ぶりに前年割れとなり、2年ぶりに3000億パタカの大台も下回った。

 12月のマイナス要因については、マカオ返還20周年記念式典(12月20日)に合わせた中国中央トップの来訪に絡み、中国本土からのマカオ渡航回数制限及び中国本土における新規のマカオ行き個人旅行ビザの発給停止やマカオ周辺での検問強化などの措置が講じれたこと及び香港情勢の深刻化に伴う旅客減、比較対象となる前年同月のベースが高かったことなどが挙げられる。

 ほかにも、昨年1月1日からカジノフロア内の全面禁煙化が実施され、これまでハイローラーと呼ばれる大口ギャンブラーを対象としたVIPルームは分煙だったが、同日以降は所定の喫煙ルーム内のみで喫煙が認められるかたちとなり、プレイしながら喫煙することが不可能となった。これによって、一部のギャンブラーがマカオ以外に流出した可能性があるとし、通期のカジノ売上のマイナスと因果関係を指摘する見方もある。また、マカオパタカは香港ドルを通じて米ドルと為替連動しているが、対ドルの人民元安も進んでいる。

 マカオの年間カジノ売上は21世紀に入って以降、2013年まで右肩上がりに上昇。ピークにあたる2013年の売上は3607.49億マカオパタカ(約4兆8722億円)だった。

カジノのイメージ(資料)—本紙撮影

カジノのイメージ(資料)—本紙撮影

【資料1】2019年のマカオの月次カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・1月:249.42億マカオパタカ=約3369億円(5.0%減)
・2月:253.70億マカオパタカ=約3426億円(4.4%増)
・3月:258.40億マカオパタカ=約3490億円(0.4%減)
・4月:235.88億マカオパタカ=約3186億円(8.3%減)
・5月:259.52億マカオパタカ=約3505億円(1.8%増)
・6月:238.12億マカオパタカ=約3216億円(5.9%増)
・7月:244.53億マカオパタカ=約3303億円(3.5%減)
・8月:242.62億マカオパタカ=約3277億円(8.6%減)
・9月:220.79億マカオパタカ=約2982億円(0.6%増)
・10月:264.43億マカオパタカ=約3571億円(3.2%減)
・11月:228.77億マカオパタカ=約3090億円(8.5%減)
・12月:228.38億マカオパタカ=約3085億円(13.7%減)
>1〜12月累計:2924.55億パタカ=約3兆9498億円(3.4%減)

【資料2】2013年〜2018年のマカオの年間カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・2013年:3607.49億マカオパタカ=約4兆8722億円(18.6%増)
・2014年:3515.21億マカオパタカ=約4兆7476億円(2.6%減)
・2015年:2308.40億マカオパタカ=約3兆1177億円(34.3%減)
・2016年:2232.10億マカオパタカ=約3兆0146億円(3.3%減)
・2017年:2657.43億マカオパタカ=約3兆5891億円(19.1%増)
・2018年:3028.46億マカオパタカ=約4兆0902億円(14.0%増)

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