香港の新型コロナ新規感染者数523人、9日連続1千人以下…小学校対面授業再開後も状況安定=4/23

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は、下落傾向を維持している。

 香港衛生当局が4月23日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から51人減(8.9%減)の523人(輸入性13人含む)とのこと。内訳はPCR検査経由が252人、迅速抗原検査経由が271人。3日連続減少、9日連続で1千人以下を維持し、ピーク期以来の最少を更新した。第5波開始以来の累計感染者数は118万8800人。

 新たに医管局から報告された死亡者数は9人で、第5波開始以来の累計死亡者数は9023人、総体死亡率は0.76%。

 当局では、新規感染確認数が緩やかな下落傾向にあり、状況が安定してきたとの見方を示した。また、19日から小学校の対面授業が再開可能となったことを受け、これまでに299校が対面授業を再開したとのこと。毎朝登校前に迅速抗原検査を実施し、結果が陰性の場合に限り登校できるルールとなっているが、これまでの陽性者が出現した小学校は12校(児童8人、教員7人)で、対面授業再開済みの学校の児童数に占める陽性者の割合は0.005%で、その多くが対面授業再開とは無関係の感染経路とみられるとした。

 21日からはソーシャルディスタンス措置が一部緩和(バーを除く飲食店の夕食時間帯の営業解禁、同卓制限の緩和、映画館・テーマパーク等の再開、集団制限措置の緩和ほか)となっており、今後の新規感染確認数の推移に注目される。

 香港の4月22日午後8時時点のワクチン接種率は92.9%(1回目の接種完了)、87.0%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は65.6%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、近日は再び頭打ち状態に。22日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は2万8383回で、7日移動平均は2万2711回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳(83.3%)と80歳以上(61.8%)が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。当局は、4月末までに高齢者の接種率9割を達成することを目標として掲げ、訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策を講じている。

香港のイメージ=香港島・中環にて本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は4月26日、今年第一四半期(2024年1〜3月期)の雇用…
  2.  マカオの公共路線バスで4月25日午前0時から中国本土版のアリペイ、香港版のアリペイ、マカオ以外の…
  3.  近日、マカオを含む中国華南の珠江デルタ地域では大雨が続いている。  マカオ政府海事・水務局…
  4.  マカオ貿易投資促進局(IPIM)は4月24日、マカオにおけるMICE誘致状況のアップデートを明ら…
  5.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  4.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun