マカオ、コロナ禍の2年で旅行会社従業員数が4割減…34社が姿消す

 マカオはアジア有数の国際観光都市として知られるが、新型コロナの影響によってインバウンド依存度の高いマカオのツーリズム関連業界は大打撃を受けている。

 マカオの昨年(2021年)通期のインバウンド旅客数は前年から30.7%増の770万5943人に上ったものの、新型コロナの影響が生じる前にあたる2019年との比較では8割超のマイナスだった。

 マカオ政府統計調査局は10月27日、昨年のマカオの旅行会社に関する調査結果を公表。

 昨年時点で営業中の旅行会社数は前年から16社減の184社、従業員数は985人減の2774人。業界全体の総収入は0.7%増の20.2億パタカ(日本円換算:約366億円)、総支出は1.6%減の21.4億パタカ(約388億円)。一昨年も18社減で、コロナの影響が生じてからの2年間で34社が姿を消し(15.6%減)、従業員数については4割の減少となった。

 旅客とローカルの旅行社を通じた交通・宿泊サービス購入の需要が一部増加したことで、旅行会社のホテル客室予約サービス収入は18.9%増の6.8億パタカ(約123億円)、客運チケット収入は21.2%増の4.0億パタカ(約73億円)に。運転手付きの車両チャーターサービス収入についても0.8%増の4.8億パタカ(約87億円)となったが、団体ツアー収入は36.7%減の2.1億パタカ(約38億円)にとどまった。

 支出については、購買、サービス、コミッションが前年から8.2%増の12.9億パタカ(約234億円)。内訳は、ホテル客室サービス支払いが16.5%増の6.5億パタカ(約118億円)、客運チケット費用が14.8%増の4.0億パタカ(約73億円)、団体ツアーが24.5%減の1.6億パタカ(約29億円)。従業員支出は23.4%減の4.2億パタカ(約76億円)。営業費用は0.8%減の4.2億パタカ(約76億円)。

 業界全体として年間1.2億パタカ(約22億円)の赤字となったが、赤字幅は前年から0.7億パタカ(約13億円)縮小。業界の経済貢献を示す付加価値総額は17.1%減の3.0億パタカ(約54億円)に。このほか、旅行会社による自動車の購買が増えたため、固定資本形成総額は74.0%増の4135万パタカ(約7.5億円)となった。

 規模別にみると、従業員数10人以下の旅行会社が119社で、主な内訳は客運チケットサービス(40.5%)と団体ツアー(23.6%)。10〜29人が50社、30〜49人が5社で、ホテル予約サービスによる収入がそれぞれ59.7%、58.8%を占めた。このほか、50人以上は10社で、収入の50.8%が運転手付きの車両チャーターサービスによるものだった。

 なお、マカオは現在に至っても中国本土に倣ってゼロコロナ政策を維持しており、依然としてツーリズム関連業界は苦戦が続いている。

マカオの著名観光スポットのひとつ、世界遺産・セナド広場周辺の様子(資料)=2022年7月27日本紙撮影

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