カジノ売上、VIPから平場へのシフト鮮明―14年第1季

マカオ政府博彩監察協調局は4月16日、今年(2014年)第1四半期のゲーミング統計を発表。カジノゲーミングによる売上は1,020億パタカ(日本円換算:約1.3兆円)に達し、そのうちVIPカジノからの収入が全体の63%を占める650億パタカだった。VIPカジノの占める割合は2005年と同水準となる。また、ゲーミングテーブル総数は5,700台で、直前期から50台減。

カジノ以外のゲーミング売上では、ドッグレースが21%減の3,600万パタカ(約4.6億円)、競馬が15%減の1.02億パタカ(約13億円)、サッカーくじが13%増の1.15億パタカ(約14.7億円)、バスケットボールくじが19%増の3,700万パタカ(4.7億円)となり、カジノを含むゲーミング総売上は前年同期比19.7%増の1,024.9億パタカ(約1.3兆円)。

VIPカジノの売上がカジノゲーミング売上全体に占める割合は2011年に73%となった後、12年に69%、13年に66%と下落を続けており、14年第1季は63%で05年と同水準となる。VIPゲーミングに取って代わり、平場のマスゲーミングバカラの売上が年々同期比42%の急上昇となる284億パタカ(約3,626億円)を記録している。2014年第1季のVIPバカラとマスゲーミングバカラの売上は合計934億パタカ(約1.2兆円)となり、カジノゲーミング売上全体の91.5%を占め、史上最高。

マカオのカジノ売上は過去最高を更新し続けており、中国本土の新興中産階級の誘致に成功している点が挙げられる。2012年以来、各カジノでは平場カジノの最低ベット金額を上げているが、こうした新規客に支えられる形でカジノ売上が全く下落していない。

マカオのカジノ(写真はイメージ)―本誌撮影

マカオのカジノ(写真はイメージ)―本誌撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオは長く本格的な鉄道が存在しなかったが、2019年12月に新交通システム「マカオLRT」タイ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月18日、今年第1四半期(2024年1〜3月)のマカオのツーリズ…
  3.  マカオ政府経済・科技発展局は4月17日、昨年第4四半期(2023年10〜12月期)の工業輸出状況…
  4.  マカオ・コタイ地区にあるギャラクシーアリーナで「ITTF(国際卓球連盟)男女ワールドカップマカオ…
  5.  マカオで複数のカジノIR(統合型リゾート)を運営するサンズチャイナ社は4月18日、今年(2024…

ピックアップ記事

  1.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun