中国本土の新型コロナ新規市中感染者数が2日連続3万人超…広東省が約25%占め最多、北京でも4日連続4桁=11/24

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株の流入を受け、上海や北京といった主要都市を含む一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が11月25日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月24日の中国本土における新規市中感染確認者数は3041人(前日から886人減)だったとのこと。内訳は広東省892人、北京市424人、河北省329人、重慶市258人、山西省208人、河南省140人、四川省123人、黒竜江省108人、山東省88人、内モンゴル自治区85人、浙江省51人、雲南省47人、貴州省42人、福建省41人、江蘇省32人、陝西省30人、湖南省29人、遼寧省24人、新疆ウイグル自治区20人、湖北省12人、上海市9人、江西省9人、青海省9人、吉林省8人、甘粛省6人、安徽省5人、海南省5人、天津市3人、広西チワン族自治区2人、チベット自治区2人。このうち広東省の497人、重慶市の122人、浙江省の19人、四川省の15人、湖南省の8人、山東省の7人、北京市の6人、黒竜江省の6人、甘粛省の6人、雲南省の4人、山西省の3人、青海省の3人、江蘇省の2人、福建省の2人、河南省の2人、河北省の1人、内モンゴル自治区の1人、広西チワン族自治区の1人、海南省の1人、貴州省の1人、陝西省の1人の計708人が無症状から感染確認へ転じた事案。

 市中の無症状感染例は2万9654人(前日から2137人増)。内訳は広東省7584人、重慶市6242人、河北省3046人、北京市1436人、四川省1187人、新疆ウイグル自治区957人、甘粛省870人、陝西省793人、青海省729人、山東省726人、山西省724人、河南省719人、吉林省570人、湖北省559人、内モンゴル自治区545人、天津市418人、遼寧省394人、江蘇省317人、雲南省302人、黒竜江省288人、広西チワン族自治区259人、寧夏回族自治区241人、安徽省152人、湖南省139人、浙江省133人、貴州省109人、上海市77人、江西省60人、福建省35人、海南省28人、チベット自治区12人、新疆生産建設兵団3人。

 無症状を含む新規感染者数は3万2695人で、5日連続増。また、14日連続5桁(1万人超え)となり、2日連続で3万人を上回った。上海市での大規模なロックダウンが実施されるなど各地で目立った再流行が出現していた今年4月中旬頃を上回る水準に。

 11月24日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は2万814人(うち輸入性が735人)で、重症者は121人(輸入性ゼロ)。無症状の患者28万2592人(輸入性1397人)が医学観察下にあるとのこと。

 11月24日に新規感染例の報告があった省市区の数は全31のうち31で、前日と同数。このうち広東省(8476人)、重慶市(6500人)、河北省(3375人)、北京市(1860人)、四川省(1310人)の5省市が4桁に上ったほか、新疆ウイグル自治区(977人)、山西省(932人)、甘粛省(876人)、河南省(859人)、陝西省(823人)、山東省(814人)、青海省(738人)、内モンゴル自治区(630人)、吉林省(578人)、湖北省(571人)、天津市(421人)、遼寧省(418人)、黒竜江省(396人)、雲南省(349人)、江蘇省(349人)、広西チワン族自治区(261人)、寧夏回族自治区(241人)、浙江省(184人)、湖南省(168人)、安徽省(157人)、貴州省(151人)の21省市区が3桁に。依然として多くの省市区で患者が出現する状況が続く。

 香港・マカオに隣接する広東省では、しばらく落ち着いた状況が続いた後、8月初旬以降は連日複数の感染例が出現。10月下旬から急増し、流行開始以来最悪の状況を迎えている。24日の新規感染者数は前日から820人減の8476人で、7日連続1万人以下となったものの、依然として高止まりが続いている。大半がオミクロンBA.5.2の流行は発生しているとされる広州市からの報告例となっており、中でも海珠区に集中。同区を含む複数の区でPCR検査によるスクリーニングが頻繁に実施されたり、準ロックダウン措置を含む厳しい防疫措置が講じられており、市民生活にも大きな影響が生じている。

 このほか、重慶市では感染例の増が続き、一時は8千人近くにまで達したが、24日は前日から1千人超の減に。市当局は防疫措置の効果が現れてきたとの見方を示し、社会面(隔離対象以外の一般市中)の占める割合が63%から8%まで下落したほか、6つの区で社会面ゼロコロナ状態を実現したことも明らかにした。一方、オミクロンBF.7が流行しているとされる北京市でも近日は感染例が右肩上がりの状況で、4日連続4桁台に。社会面から発見に至るケースも約400人に上ったという。同市では市中伝播だけでなく、市外から同市入りした人の感染報告も増加しており、22日から市外から同市入りした人に対して3日間で3回のPCR検査受検を求める措置がスタートし、24日からは公共交通機関時に48時間以内のPCR検査陰性証明の提示を求める措置も講じられた。

 中国本土の状況は総じて落ち着いている一方で、香港では昨年末から流行第5波が続いており、直近の単日新規感染者数は5千人前後で推移。9月26日からは入境時の義務的隔離検疫も不要となり、事実上ウィズコロナに転換したといえる。マカオについては長期にわたって市中感染確認数ゼロの落ち着いた状態を維持。こちらは中国本土に倣ってゼロコロナ政策を堅持する方針を示している。ただし、このところマカオ市中及び珠海市でマカオ滞在歴のある陽性者が相次ぎ確認され、珠海市からの入境にあたって制限を強化する動きもあるが、これらをきっかけとした市中伝播は確認されていない。

中国広東省広州市内にある高層ビル(資料)—本紙撮影

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