マカオ、直近5ヶ月でVIPルーム6施設閉鎖=長引くカジノ低迷余波

マカオ政府経済財政庁の梁維特(ライオネル・リョン)長官は5月11日、自身が長官に就任した昨年(2014年)12月以来の5ヶ月の間に政府労工局が閉鎖の報告を受けたカジノVIPルームは6施設あったことを明かした。

マカオの日刊紙「澳門日報」が5月12日付紙面で報じた。また、VIPルーム6施設の閉鎖に伴い、解雇などを理由に50人以上の元従業員から政府に対する支援依頼があったという。このうち、職種では広報、運転士、会計担当が多かったとのこと。

梁長官によると、マカオの労働市場について、直近の統計(今年1-3月)まで15期連続で過去最良水準となる失業率1.7%を持続しており特に心配する必要はないとの見方だが、ゲーミング(カジノ)業界については状況を注視しているとした。なお、すでにゲーミング(カジノ)関連企業に対し、人材育成の強化及び人事の流動性を高めるよう要請を行ったとのこと。

マカオ全体の月次カジノ売上は、昨年6月から今年4月まで11ヶ月連続で前年割れとなっており、低迷が長期化の様相を呈している。今年1-4月の累計カジノ売上は前年同期比37.1%減。マカオのカジノ売上減の理由として、中国本土富裕層を中心としたハイローラーと呼ばれるVIPカジノ客の流出が指摘されている。

【資料】マカオの2015年月次カジノ売上(カッコ内は前年同月比)
・1月:237.48億パタカ=約3573億円(17.4%減)
・2月:195.42億パタカ=約2940億円(48.6%減)
・3月:214.87億パタカ=約3233億円(39.4%減)
・4月:191.67億パタカ=約2884億円(38.8%減)
>1〜4月累計:839.44億パタカ=約1兆2630億円(37.1%減)
※データ出典:澳門博彩監察協調局

カジノチップとバカラのゲーミングテーブルのイメージ(資料)—本紙撮影

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