マカオの文化財にスプレーで落書き、フィリピン人の男5人逮捕=修復費用は政府負担

マカオ司法警察局は8月4日、先月(7月)マカオ旧市街地にある聖ラザロ地区の文化財建築物の壁面に黒色のスプレーを使ったとみられるアルファベットや記号が描かれていた事件について、捜査を進めた結果、7人の容疑者を特定し、このうち5人を8月3日に逮捕したことを明らかにした。

容疑者はいずれもフィリピン人だという。警察の取り調べに対し、男らは7月11日の夜に酒を飲んだ後、7ヵ所に落書きをしたことを認め、動機については悪ふざけだったなどと供述しているという。警察は、逮捕した5人のうち4人を加重器物破損罪で、1名についても犯行に加わったことが強く裏付けられるとして、全員を送検した。

落書きされた文化財の壁面については、政府文化局が暫定的に費用を負担した上で修復作業を行う方針。修復費用は2.1万パタカ(日本円換算:約33万円)

マカオには、旧市街地を中心に、東洋と西洋の建築文化が融合したエキゾチックな町並みが多く残り、世界各地から訪れる観光客を魅了している。中でも、古き良き南欧の雰囲気を感じさせる聖ラザロ地区は、特に人気が高いエリアとして知られる。

近年、マカオは多数の労働者を海外から受け入れており、その数は6月末時点で総人口64万人の3割にあたる18万人以上に達している。出身地別では中国本土がおよそ半分を占めトップだが、フィリピンは2.3万人で2番目に多い。

文化財にスプレーで落書きしたとして逮捕、送検されたフィリピン人の被疑者(写真:マカオ司法警察局)

文化財にスプレーで落書きしたとして逮捕、送検されたフィリピン人の被疑者(写真:マカオ司法警察局)


落書き被害に遭った聖ラザロ地区の文化財建築物壁面(写真:マカオ司法警察局)

落書き被害に遭った聖ラザロ地区の文化財建築物壁面(写真:マカオ司法警察局)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は5月2日、マカオのカジノで偽造ゲーミングチップを行使したクロスボーダー犯罪グル…
  2.  マカオ司法警察局は5月2日、コタイ地区の2つのカジノ施設にあるゲーミングテーブルで他人の賭けたチ…
  3.  澳門海關(マカオ税関)は5月2日、各イミグレーション施設で手荷物検査の強化を図り、違法な運搬活動…
  4.  アジア有数の観光デスティネーションのマカオでは、年間最大の書き入れ時のひとつとなる五・一(労働節…
  5.  マカオ政府とカジノ経営コンセッションを結ぶ6陣営の一角で、マカオ半島でMGMマカオ、コタイ地区で…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun