消費旺盛な「北方」旅客に期待集まる

間もなく北京と広東省を結ぶ中国の高速鉄道(新幹線)「京廣高鐡」が開通するのに加え、今年から北京をはじめとする6都市で香港、マカオへの自由旅行ビザ発給規制が緩和したことを受け、マカオのリテール業では中国北方エリアからの旅客に対する新たなビジネスチャンスへ期待が高まっている。

北京と広州を結ぶ新幹線「京廣高鐡」は北京、河北省、河南省、湖北省、湖南省、広東省の6省29都市を沿線に抱える。また、今年北京、上海、天津、重慶、広州、深圳6都市の非地元戸籍就労者と高等教育機関学生に対して香港、マカオへの自由旅行ビザ発給規制が緩和されている。

17日付地元有力紙「澳門日報」が報じたところによると、土産店、高級ショッピングモールの高級ブランド店の話として、今年後半から来客数は伸びているものの、中国本土の景気減速の影響を受けて客単価は伸び悩んでいたという。その中で、主に中国北方エリアからの顧客は一般的に広東省などの南部と比較して消費額がきわめて大きかったとした。その理由として、近距離にある広東省近辺の顧客は容易にマカオへ再訪できるためとし、遠方の旅客ほど家族や友人の分も含めて一気にまとめ買いをしていく傾向があるという。

交通ネットワークの拡充と自由旅行ビザ発給都市の拡大と緩和により多くの消費潜在力の高い地方からの来客を見込めることから、マカオのリテール業では大きな恩恵を受けそうだ。しかし、マカオ出入境の際のイミグレーションの混雑緩和など、増加の一途をたどる旅客を迎えるためのインフラ整備が急務であることも指摘されている。

中国本土とマカオの主要出入口「關閘(ボーダーゲート)」イミグレーション(資料)―本紙撮影

中国本土とマカオの主要出入口「關閘(ボーダーゲート)」イミグレーション(資料)―本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は5月2日、マカオのカジノで偽造ゲーミングチップを行使したクロスボーダー犯罪グル…
  2.  マカオ司法警察局は5月2日、コタイ地区の2つのカジノ施設にあるゲーミングテーブルで他人の賭けたチ…
  3.  澳門海關(マカオ税関)は5月2日、各イミグレーション施設で手荷物検査の強化を図り、違法な運搬活動…
  4.  アジア有数の観光デスティネーションのマカオでは、年間最大の書き入れ時のひとつとなる五・一(労働節…
  5.  マカオ政府とカジノ経営コンセッションを結ぶ6陣営の一角で、マカオ半島でMGMマカオ、コタイ地区で…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun