違法白タク暗躍―「快速通関」裏技活かす

マカオを訪れる観光客の増加に伴い、各イミグレーションにおける出入境手続きの行列待ち時間の長さにストレスを感じる旅客も多い。中でも、關閘・拱北ルートは主に中国大陸からの旅客利用者が多く、待ち時間が長いことで知られるが、待ち時間の少ない「快速通関」を謳う無免許の白タク業者(白牌車)による違法越境営業行為が常態化しているという。

5日、6日の地元有力紙、テレビメディアが相次いでこの問題について報じた。關閘・拱北ルートは陸路で往来可能なイミグレーションで、徒歩と自家用車による2つの出入境審査コースがあり、一般的に混雑しているのは徒歩利用者向けの通関審査場。マカオ・中国本土の両方のナンバープレートを付けた自家用車(兩地牌)は自動車専用の通関窓口を利用でき、かつ車に乗ったまま通関手続きを受けることができる。違法白タクはこの方法で關閘・拱北の間を「快速通関」できると称し、主に待ち時間を節約したい中国本土旅客をターゲットに営業しているという。關閘・拱北ルートを使った越境路線バスも運行されているが、バス利用客はイミグレーション審査の際、一旦バスを降りて徒歩の通関コースを利用する必要があることから、白タクの独壇場となる。

違法白タクは主に關閘イミグレーション前広場で声を掛けるなどして客を勧誘しているという。料金は關閘と拱北の間の「快速通関」で1人あたり400~500元程度。また、關閘とマカオ市内、拱北と広東省内の目的地までの送迎も含む「総合サービス」に対応する業者もいるという。

なお、現在、このような違法白タク業者は30~40名程度いるとみられている。通関秩序を乱す行為として批判が高まっており、当局へ取り締まりの強化を望む声も多い。

中国本土からマカオを訪れる旅客の大半が利用する出入境施設、關閘ボーダーゲート(資料)―本紙撮影

中国本土からマカオを訪れる旅客の大半が利用する出入境施設、關閘ボーダーゲート(資料)―本紙撮影

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