マカオの9月ホテル客室稼働率86.6%…対前年3.9ポイント上昇

マカオは人口約65万人、面積約30平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られる。

昨年(2016年)通期の訪マカオ外客数は前年から0.8%増の延べ(以下同)3095万0336人となり、3000万人の大台を3年連続突破した。今年9月の訪マカオ旅客数は前年同月から2.3%増の248万6383人、宿泊を伴う旅客は5.4%増の138万2026人に上った。

かつて、訪マカオ旅客の大半が日帰りだったが、昨今では宿泊を伴う旅客が増加傾向にあり、昨年6月から今年9月までの間、今年1、2月を除いて宿泊を伴う旅客が日帰り旅客の数を上回っている。

マカオ政府統計調査局が10月31日に公表した最新統計によれば、今年9月の平均ホテル客室稼働率(簡易宿泊施設に相当するペンサオンを含む、以下同)は前年同月から3.9ポイント、前月から0.2ポイントのそれぞれ上昇となる86.6%だった。

対前年の客室稼働率は大型台風により甚大な被害に見舞われた8月に15ヶ月ぶりの下落となったが、9月は再び上昇に転じた。

今年9月のホテル等級別の客室稼働率は、5つ星が前年同月から4.5ポイント上昇の86.9%、4つ星が3.1ポイント上昇の89.6%、3つ星が3.2ポイント上昇の86.0%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が2.3%増、4つ星ホテルと3つ星ホテルが横ばいだった点も考慮する必要がある。

今年9月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同月から横ばいの107軒、供給客室数は同1.4%増の3.68万室あり、このうち5つ星ホテルが33軒で、供給客室数は全体の60.6%を占める2.23万室。

今年9月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月比3.2%増の104.7万人。主な内訳は中国本土旅客が10.9%増の71.1万人、香港旅客が29.4%減の10.5万人、台湾旅客が6.1%減の4.2万人、韓国旅客が45.0%増の4.1万人、日本旅客が5.8%減の1.7万人だった。ホテル宿泊客の平均滞在時間は前年同月から0.1日増の1.5日。

今年1〜9月累計のホテル宿泊客数は前年の同じ時期から12.5%増となる969.9万人、平均客室稼働率は3.7ポイント上昇の85.6%、平均滞在時間は0.1日増の1.5日、宿泊を伴う旅客全体に占めるホテル宿泊者の割合は0.9ポイント上昇の72.2%。

昨今、マカオでは宿泊を伴う旅客が増加する一方、相次ぐ新ホテル開業による供給客室数の急増により昨年5月まで15ヶ月連続で客室稼働率が下落していた。こういった状況の中、客室数の多い大型IR併設ホテルを中心に各社が値下げプロモーションによる積極的な集客を打ち出したことで、一定の需要喚起の効果があったためとみられ、初夏以降の客室稼働率は再び上昇に転じていた。

マカオではホテル建設ラッシュが続いており、近い将来、供給数は5万室超に達する見込み。

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  英「タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)」は当地時間の4月30日、THEアジア大学ラン…
  2.  アジア有数の観光デスティネーションのマカオでは、年間最大の書き入れ時のひとつとなる五・一(労働節…
  3.  マカオ司法警察局は4月30日、中国本土の警察当局と連携し、「練功券」と呼ばれる銀行員のトレーニン…
  4.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  5.  マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は5月1日、今年(2024年)4月の月次カジノ売上(粗収益、…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…

注目記事

  1.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun