マカオ、17年1〜9月累計の犯罪件数0.7%減…カジノ関連犯罪の生活圏への波及なし

マカオ保安庁は11月21日に記者発表会を開き、今年1〜9月期の犯罪統計を発表。犯罪件数は前年の同じ時期から0.7%減の1万0751件だった。

暴力犯罪が2.3%減の594件だったほか、財産を狙った窃盗、脅迫、暴利(いわゆる高利貸し)についてもマイナス、誘拐、殺人、厳重傷害等の犯罪はゼロまたは極めて低い発生率を維持した。

一方、詐欺事案が27.9%の大幅増となる702件に上った。このうち、いわゆる「振り込め詐欺」事案が昨年の同じ時期から20件増の120件。また、違反タクシー事案が24.5%増の3781件で、半数以上がぼったくり。放火事案についても13件増の36件で、このうち14件がたばこの火の不始末によるものだった。

ゲーミング(カジノ)関連犯罪については、監禁事案が2.9%減の339件、暴利(高利貸し)事案が8.6%減の318件。

マカオ保安庁の黄少澤長官はカジノ関連犯罪に絡む治安情勢について、カジノ及び周辺産業は莫大な利益を生み出し、カジノのニューオープンも相次ぐ状況の中、不法分子が活動のチャンスを伺っていることも予想され、潜在的な治安リスクとして挙げられるが、現状では黒社会(反社会集団)によるカジノ外の社会治安へ影響を与えた形跡ははないとコメント。さらに、監禁や高利貸し事案は減少し、加害者、被害者ともにマカオ以外の居住者であり、大部分がカジノにおいて発生していると指摘。黒社会の以上の動きについても報告を受けていないとした。

マカオの治安情勢について語る黄少澤マカオ保安局長(中央)=2017年11月21日、マカオ保安庁長官オフィス(写真:GCS)

マカオの治安情勢について語る黄少澤マカオ保安局長(中央)=2017年11月21日、マカオ保安庁長官オフィス(写真:GCS)

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