マカオへの影響小—比マニラ湾新カジノ開幕

フィリピンの首都マニラのマニラベイ地区に16日、約12億米ドルを投じて建設が進められてきた新カジノリゾート「ソレアマニラリゾート」が開幕する。マニラはマカオから地理的に近い位置にあるが、マカオのゲーミング業界への影響については小さいと見られる。

15日付地元有力紙「澳門日報」が伝えた。ソレアマニラリゾートはマニラベイ地区でゲーミングライセンスを持つ4社のうちの1つで、同地区に開業するプロジェクト第1号となる。リゾートの規模はゲーミングテーブル300台、スロット機1,200台、レストラン7店、ホテル客室500室、駐車場2,000台、高級ショッピングモールとシアターも併設する。

ソレアマニラリゾートの運営母体はフィリピンの港湾ペレーターで富豪のエンリケ・レゾン氏及びゲーミング関連企業のブルームベリー・リゾーツ・アンド・ホテル社。マニラベイ地区ではソレアマニラリゾートの他、マカオでシティ・オブ・ドリームズを運営するメルコ・クラウン・エンターテインメント社、岡田和生氏とマレーシアの大手国際ゲーミング企業ゲンティン社によるものなど3プロジェクトの建設が進められており、2017年頃までに出揃う予定。

現在、フィリピンの年間ゲーミング売上は約10億米ドルというが、ソレアの開業により倍増となる20億米ドルを見込んでいるという。マニラベイの4リゾートがすべてオープンした後、同国のカジノ売上は100億米ドルに達する見込み。なお、直近のマカオの年間カジノ収入は380億米ドルで世界トップ、ラスベガスは60億米ドル。

マカオの学者によると、フィリピンでは今後も積極的にゲーミング産業の強化を続けると見られるが、同国の政治状況が不安定、中国との関係が良好ではない、治安面での不安といった点などから、中国人旅客を誘致するのは容易ではないと見ている。また、近隣国と比較して航空アクセスにおいても中国方面との間の路線が少ないことも指摘されている。資金融通の利便性についてもマカオには遠く及ばないなど、現時点ではフィリピンのカジノがマカオへ与える影響は軽微なものと捉えられている。

2013年3月16日に開幕する「ソレアマニラリゾート」のイメージ (c) Solaire Resort & Casino

2013年3月16日に開幕する「ソレアマニラリゾート」のイメージ (c) Solaire Resort & Casino

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  アジア有数の観光デスティネーションのマカオでは、年間最大の書き入れ時のひとつとなる五・一(労働節…
  2.  マカオ政府地球物理気象局(SMG)は5月3日、今年(2024年)4月の天気レビューを発表。 …
  3.  国際展示会大手のリード・エグジビションズ(RX)は5月3日にマカオで会見を開き、今年(2024年…
  4.  マカオ政府財政局(DSF)が5月2日に公表した最新統計によれば、今年(2024年)4月前半の住宅…
  5.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun