マカオ、2019年通期のインバウンド旅客数が過去最多の約3940万人に…対前年10.1%増=港珠澳大橋開通追い風

 マカオは人口約67万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリなどの国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られる。近年、インバウンド旅客数は右肩上がりで安定的に推移している。

 マカオ政府旅遊局(MGTO)は1月15日に年次記者会見を開き、昨年(2019年)の各種観光関連データ(初期統計)と取り組みの総括、今年度の重点施策などについて説明を行った。

 昨年通期のインバウンド旅客数は前年から10.4%増の約3940万人で、過去最多記録を3年連続で更新。2桁増となった要因については、2018年10月に開通した港珠澳大橋の存在を挙げた。

 旅客ソース別では、例年通り中国本土、香港、台湾の大中華圏がトップ3で、大中華圏からの旅客総数は11.3%増の約3630万人。最大旅客ソースの中国本土が10.5%増の2700万人超で、このうち46.8%を個人旅客が占めた。香港からは16.2%増の約730万人、台湾からは0.2%増の約100万人。

 一方、中華圏以外からの国際旅客の数は2.8%減の約300万人にとどまった。で過去最多となり、旅客全体の9.8%を占めた。中華圏以外で最大の旅客ソースは韓国の約74万人。フィリピンが35.6%の高い伸び率、旅客ソーストップ10で唯一の遠隔地である米国は0.1%減った。

 また、宿泊を伴う旅客が0.8%増の約1860万人、旅客全体に占めるシェアは前年から横ばいの47.3%。宿泊を伴う旅客の滞在時間は2.2日、旅客全体では1.2日で、いずれも横ばい。昨年通期のホテル宿泊者数は1390万人。平均ホテル客室稼働率は90%で、いずれも前年から横ばい。3〜5つ星ホテルの1部屋1泊あたり平均客室単価は1.5%上昇の170.1米ドル(日本円換算:約1.9万円)だった。

マカオ政府旅遊局による年次記者会見=2020年1月15日、マカオタワー(写真:MGTO)

 今年度の重点施策については、「観光計画全体の見直し、スマートツーリズム開発の促進」、「美食の都プロモーションの展開持続、観光プロモーションの強化」、「高品質ツーリズム建設の重視、業界のサービス品質の向上」、「マカオグランプリ博物館の開業、観光商品資源の多様化」を挙げた。

 マカオグランプリ博物館は2016年6月からリニューアル工事のため休館しているが、再オープン時期については、最も早くて今年の夏前との見通しを示した。

 なお、2020年通期のインバウンド旅客数見通しについては、昨年11、12月にかけて2桁減が続いており、現時点では3%程度のマイナスになると予想しているとのこと。

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