マカオ、複数通貨カード普及拡大でクレカ発行枚数増加続くも決済及び返済総額は減少に転じる=20年第1四半期

 マカオ政府金融管理局は5月8日、今年第1四半期(2020年1〜3月期)のクレジットカード統計を公表。マカオにおける個人向けクレジットカード発行枚数は対前年プラスを維持したが、決済総額及び返済総額は減少に転じた。

 今年第1四半期末時点におけるマカオの認可機構が直接または間接的に発行した個人向けクレジットカードの総数は144万7166枚となり、昨年第4四半期末から1.4%、前年の同じ時期から8.3%のそれぞれ増。増加要因として、ダブルカレンシー(2通貨)及びトリプルカレンシー(3通貨)カードの普及拡大が挙げられる。決済通貨別ではマカオパタカカードが前年の同じ時期から7.4%増の100万8602枚、香港ドルカードが3.2%増の9万8089枚、人民元カードが12.8%増の34万0475枚。

 今年第1四半期末時点でのマカオの認可機構が発行するクレジットカードの与信総額は昨年第4四半期末から3.1%、前年同期末から9.8%のぞれぞれ増となる409億マカオパタカ(日本円換算:約5480億円)に達した。カード債券総額は22億マカオパタカ(約295億円)あり、このうち支払い先送り分が未収債券の39.4%にあたる8.6億マカオパタカ(約115億円)。支払い予定日から3ヶ月以上の未収金比率は前年第4四半期末から0.9ポイント上昇の2.5%。

 今年第1四半期のマカオ発行クレジットカードの決済総額は昨年第4四半期から27.2%、前年同期から19.0%のそれぞれ減少となる46億マカオパタカ(約616億円)。このうち、キャッシングが1.5億マカオパタカ(約20億円)で、決済総額の3.3%を占めた。このほか、利息及び手数料を含む返済総額は昨年第4四半期から11.2%、前年同期から9.6%のそれぞれ減少となる55億マカオパタカ(約737億円)だった。

 参考として、マカオの人口は約68万人。マカオでは今年1月末から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する防疫対策が本格的に講じられ、市民生活に大きな影響が及んでいる。

マカオ金融管理局ビル(資料)―本紙撮影

マカオ金融管理局ビル(資料)―本紙撮影

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