マカオ・コタイ地区にあるIR（統合型リゾート）併設のカジノ施設で9月25日、カジノゲーム中の男性客がズボンの後ろのポケットに入れていた額面5万香港ドル（日本円換算：約68万円）の高額ゲーミングチップ1枚を盗まれる事件が発生。

　マカオ司法警察局が9月29日に発表した内容によれば、同月25日午後、被害者の男性からカジノでゲームに興じている間に身につけていたチップが何者かに盗まれたようだとする通報が寄せられたという。

　警察がカジノ施設内の監視カメラ映像を確認したところ、被害者ゲームをしている際、1人の男が身を寄せ、被害者のズボンの後ろのポケットからチップを盗み出した後に立ち去る様子が映っていたとのこと。その後、速やかに捜索に着手し、まもなく被疑者の身柄を拘束するとともに、盗まれたチップの奪還に成功したという。

　被疑者は中国本土出身の自称事務職の42歳の男で、警察の調べに対して出来心でやってしまったと犯行を認める供述をしたとのこと。警察では、男を窃盗罪で検察院送致済みとした。

カジノフロアの監視システムのイメージ（資料）＝マカオ理工学院ゲーミングティーチング＆リサーチセンターの模擬カジノ施設にて－本紙撮影

　マカオのカジノ施設でテーブルゲームにベットする際、現金ではなくチップを使用する。チップは少し分厚いコインのような形をしており、額面によって色やデザインが異なるが、いずれも小さく軽い。今回の事件のような1枚5万香港ドルをはじめ、10万香港ドル（約136万円）以上の高額チップも存在する。

　チップはカジノフロアにあるキャッシャーと呼ばれるカウンターで額面の現金と交換することができる。つまり、現金そのもの。マカオのカジノでは、しばしばチップを狙った犯罪が発生している。