香港、新型コロナ市中感染確認34日連続ゼロ…輸入性は3人、ワクチン3回目接種スタート=11/11

 人口約740万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、5月末に終息した。

 6月以降は、上旬に1家族の女性3人の市中感染例、24日と27日にかけて空港での業務に従事する男性1人とその密接接触者の1人、7月2日に検疫用ホテルの清掃作業員の女性1人、11日に空港での業務に従事する男性1人の輸入関連性感染確認例(いずれも当初市中感染例からの変更)、8月5日には建設作業員(感染経路不明、これまで感染確認に至らなかった無症状感染者の再陽性事例)、8月17日に空港ラウンジ職員(感染経路不明、L452R変異株)、10月8日に空港カーゴ部門従事者(感染経路不明、L452R変異株)の市中感染確認があったが、市中における連鎖的な伝播は出現していない。

 香港衛生当局の発表によれば、11月11日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は3人で、すべて輸入性(海外からの入境者)とのこと。市中感染確認例に限ると34日連続ゼロを維持した。

 輸入性の患者3人は10月22日から11月9日にかけてフィリピン、タイ、サウジアラビア(カタール経由)から空路香港へ到着した男女。全員が新型コロナワクチンを2回接種済みで、L452R変異株感染だった。

 フィリピンから到着した患者は、ホームヘルパーとして就労するため入境。香港では、8月末から香港行き航空機搭乗前の陰性証明の取得、ワクチン接種完了、到着後に指定の検疫用ホテルで21日間の隔離検疫を受けることなどの条件でフィリピン及びインドネシアからの主にホームペヘルパー職の受け入れが再開となった。当該国から香港へ到着した後に感染確認される例が9月3日以降に相次いで出現している。

 香港における過去14日間(10月28日〜11月10日)累計の新規感染確認は39人で、すべて輸入性事案。ここまでの累計感染確認数は1万2378人(擬似事案1人含む)。

 翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は5人以下という。

 香港の11月11日午後7時時点のワクチン接種率は69.2%(1回目の接種完了)、66.3%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は913万8732回、1日あたり接種回数は2万4243回(7日移動平均値9769回)。香港ではワクチンが充足している状況で、政府は9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割(1回目接種完了)を突破できるとする見通し示していたが、9月以降は接種回数の低迷が顕著で、11月に入って以降も未達が続く。なお、11日から3回目の接種(ブースター接種)がスタートし、上述の接種回数には3回目も含んだものとなっている。3回目の接種回数は1万6825回で、単日の数字を押し上げた。香港特別行政区の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は11日に3回目の接種を受け、過去2回同様に中国科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製の不活化ワクチン「CoronaVac」を選択したとのこと。香港では、ドイツ・ビオンテック製のmRNAワクチン「Comirnaty」(日本で「ファイザー」と呼ばれているもの)も選択肢にあり、3回目の接種では過去2回と異なるものを混合接種することもできる。

 香港衛生当局では、近日の輸入性感染確認例のうち、ワクチン接種を完了している患者も少なくないとし、不要不急の外遊(特に高リスク地域)及び外地における不必要な大型集会やイベントへの参加を控えるとともに、外地滞在中はマスクの着用し続け、個人・環境衛生管理に努めるよう呼びかけている。

新型コロナワクチンの3回目接種に臨む香港特別行政区の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官=2021年11月11日(写真:news.gov.hk)

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