香港、新型コロナ感染確認25人…すべて輸入性、オミクロン株感染者は累計44人に=12/25

 人口約740万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、5月末に終息した。

 6月以降も外遊歴のない人(多くが空港業務従事者)の散発的な感染確認があったものの、市中における連鎖的な伝播は出現していない。

 香港衛生当局の発表によれば、12月25日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は25人で、すべて輸入性(海外からの入境者)事案だったとのこと。前日(24日)に輸入関連性の感染確認とされた空港清掃スタッフの感染経路が判明(先に感染確認された患者=ガーナとカタール滞在歴のある入境者とウイルスゲノム配列が一致)したことから市中感染の可能性が排除され、市中感染確認は78日連続ゼロとなった。ただし、当該輸入関連性確認の患者は市中での活動歴があり、患者の住居及び立ち寄り先に対する厳格な防疫措置が講じられた。

 輸入性の患者は12月21〜24日にかけて米国、カナダ、ロシア、フランス(ドイツ経由)、パキスタン(アラブ首長国連邦経由、2人)、カザフスタン(韓国経由、5人)、英国(9人)、南アフリカ(エチオピア経由)、インド(アラブ首長国連邦経由)、スペイン(カタール経由)、インド、オーストラリアから空路香港へ到着。いずれも新型コロナワクチン2回または3回接種済みで、14人がL452RまたはN501Y及びT478K変異株感染、9人が変異株感染の有無を調べる検査結果待ち、2人がウイルス量不足のため検査できない状況とのこと。なお、カザフスタンから到着の5人は当地で開催された「第17回アジアシニア選手権大会」に参加した香港代表の空手道選手だった。

 香港における過去14日間(12月11〜24日)累計の新規感染確認は73人で、すべて輸入性事案。ここまでの累計感染確認数は1万2581人(擬似事案1人含む)。

 香港の12月24日午後7時時点のワクチン接種率は72.0%(1回目の接種完了)、68.7%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は981万8951回、1日あたり接種回数は1万5295回(7日移動平均値1万4234回)。香港ではワクチンが充足している状況で、政府は9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割(1回目接種完了)を突破できるとする見通し示していたが、9月以降は接種回数の低迷が顕著で、11月23日にようやく達成された。なお、11月11日から3回目の接種(ブースター接種)がスタートし、上述の接種回数には3回目も含んだものとなっている。3回目の累計接種回数は33万8405回。

 このほか、香港衛生当局は12月25日、香港で新たに3人のオミクロン変異株の感染者が確認されたことを明らかにした。ここまで香港で確認されたオミクロン株感染者は累計44人となった。また、一定数以上の乗客が香港国際空港到着後の検査で感染確認されたことなどが香港の防疫措置規則に違反するとし、エミレーツ航空のドバイ(バンコク経由)出発便、大韓航空のソウル出発便、キャセイパシフィック航空のロンドン出発便について、それぞれ14日間の香港乗り入れ禁止処分を発表。

 香港衛生当局では、新型コロナの世界的な流行は依然として非常に深刻な状況にあり、より感染力の強い変異型ウイルスの症例が増加、またワクチンを接種した人の感染報告もあるとし、不要不急の外遊(特に高リスク地域)よう強く呼びかけている。

香港のイメージ=香港島・中環にて本紙撮影

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