マカオ政府統計調査局は6月20日、今年（2022年）5月の訪マカオ外客数（インバウンド旅客数）統計を公表。

　5月のインバウンド旅客数は60万0748人（延べ、以下同）で、前月から1.0%、前年同月から30.6%のそれぞれ減。対前月では2ヶ月ぶりのマイナス。

　内訳は、日帰り旅客が前年同月比8.5%減の35万8920人、宿泊を伴う旅客が49.0%減の24万1828人。平均滞在時間は前年同月から0.7日短い0.9日で、内訳は日帰り旅客が横ばいの0.1日、宿泊を伴う旅客が0.8日短い2.1日。

　国・地域別で最多だったのは中国本土からの旅客で、前年同月から32.3%減の53万8458人、全体に占める割合は89.6%。このうち個人旅行客が17万6171人。中国本土からの旅客の原居地別では、大湾区（グレーターベイエリア）9市が40万4141人で、マカオと隣接する広東省珠海市が55.0%を占めた。香港と台湾からの旅客はそれぞれ5万6670人、5497人。

　インバウンド旅客の入境ルートは前年同月から陸路が24.9%減の57万4289人で最多。このうち關閘イミグレーション経由が78.6%を占めた。空路は2万2482人、海路は3977人。

　今年1〜5月累計のインバウンド旅客数は前年同時期から9.3%減の308万4436人。内訳は、日帰り旅客が27.3%増の198万0945人、宿泊を伴う旅客が40.1%減の110万3491人。旅客の平均滞在時間は0.5日短い1.2日で、日帰り旅客が横ばいの0.1日、宿泊を伴う旅客が0.3日延びて3.2日。

　マカオと中国本土の間では、一昨年（2020年）第4四半期までに往来制限が緩和され、直近7日以内の新型コロナPCR検査陰性証明の提示など一定の条件を満たせば隔離検疫免除で相互往来が可能となった。ただし、中国本土では再流行が散発的に発生しており、状況に応じて「中リスク地域」指定が行われ、これに該当する地域からマカオへ入境する場合には、隔離検疫を必要とするなどの措置が講じられる。今年に入って以降、オミクロン変異株の流入によって中国本土各地で比較的規模の大きな再流行が出現し、水際措置だけでなく、移動に関する制限が講じらる場合もあることから、マカオのインバウンド旅客数に影響が生じている。

　目下、中国本土を除く国・地域からのマカオ入境は厳しく制限されている状況。香港、台湾居民については、直近の滞在地、渡航歴によって分類され、入境禁止、政府指定のホテルにおける隔離検疫（費用は自己負担、期間は直前の滞在地域などにより異なる）、新型コロナウイルスPCR検査陰性証明書の提示を求めるなどの対応。外国人については原則入境禁止となっていたが、就労ビザを持つ人などを対象に一部緩和された。ただし、要件をクリアした上、当局への申請、承認手続きの必要があり、ハードルは高い。

　なお、近日マカオで市中における新型コロナ陽性者が多数出現したことを受け、マカオと中国本土との間の水際措置が引き締めとなった。6月のインバウンド旅客数に影響が及ぶものとみられる。

マカオの著名観光スポットのひとつ、世界遺産・セナド広場の様子（資料）＝2020年10月6日本紙撮影