オミクロンBA.5流行のマカオ、全市民PCR検査を追加実施…8日間で4回

 人口約68万人のマカオでは、約8ヶ月にわたって新型コロナの市中感染確認例ゼロを維持していたが、6月18日深夜以降、陽性者の出現が続いている。(以下、「6・18アウトブレイク」と表記)

 6・18アウトブレイクは、感染力が非常に強いオミクロン変異株派生型の「BA.5.1」が市中へ流入(感染源不明)し、急速に伝播が拡大したものとされ、1平方キロメートルあたりの人口密度が2万人超と極めて高いマカオにとって、大きな脅威となっている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは7月8日午後5時から会見を開き、6・18アウトブレイクに関する各種最新情報を発表。

 8日午前0時までの直近24時間にPCR検査を経て陽性が確定した人の数(市中感染事例に限る)は88人で、前日から40人減となり、3日ぶりに100人以下となった。6月18日以降の累計は1303人に。

 新規市中陽性者88人の内訳は、隔離対象(局地ロックダウン対象ゾーン内及び隔離検疫ホテル)からが31人、一般市中からが57人(濃厚接触者13人、全市民PCR検査及び重点検査対象33人、その他11人)。

 陽性が確定した1303人の内訳は女性が700人、男性603人、年齢は3ヶ月〜100歳で、症状あり(感染確認)が481人、無症状が822人。死亡者は2人で、26人が退院済み。

 これまでに隔離の対象とされた人の数は1万7829人に上った。内訳は陽性者1303人のほか、核心濃厚接触者が2775人、非核心濃厚接触者(陽性者と居合わせた)が1万0362人、二次濃厚接触者が821人、一般接触者が255人、付き添い人が739人。

 マカオでは6月19日以降、全市民を対象とした義務的なPCR検査及び迅速抗原検査、さらには一部重点区域、重点人群に対象を絞った追加のPCR検査によるスクリーニングが高頻度で実施されている。目下、7月4日から9日までの6日間にわたって3回(6月19日以降で4、5、6回目)の全市民PCR検査が実施されているが、8日の会見で10日から17日までの8日間にわたって4回(7、8、9、10回目)を追加実施することが発表された。

 6日午前9時から33時間にわたって実施された第5回全市民PCR検査の結果が8日午前までに明らかとなり、混合検体(10人分1本)41本から陽性反応が検出されたが、第4回の94本と比較して大幅減。7日の迅速抗原検査軽油の陽性報告数は11人で、当局では直近2回の全市民PCR検査の効果は明瞭で、情勢が好転したとの見方を示した。感染力が強く、伝播チェーンが顕在化しにくいオミクロンBA.5の特性を考慮すると、現時点で対策を緩めることはできず、高頻度の全市民PCR検査及び迅速抗原検査を経て速やかに陽性者を発見、隔離、治療すると同時に、疫学調査の効率化や人流減といった策が重要になるとした。

マカオで高頻度実施されている全市民対象PCR検査会場の様子(写真:GCS)

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