中国本土の新型コロナ新規市中感染者数が2日連続2万人超に…広東省が約9800人で最多、広州に集中=11/16

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株の流入を受け、上海や北京といった主要都市を含む一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が11月17日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月16日の中国本土における新規市中感染確認者数は2328人(前日から760人増)だったとのこと。内訳は広東省1246人、北京市172人、重慶市172人、河南省137人、四川省111人、陝西省107人、内モンゴル自治区103人、山西省71人、雲南省44人、江蘇省26人、新疆ウイグル自治区26人、浙江省19人、山東省16人、貴州省13人、青海省13人、福建省11人、黒竜江省10人、甘粛省7人、海南省5人、チベット自治区5人、湖北省4人、天津市3人、遼寧省2人、上海市2人、湖南省2人、吉林省1人。このうち広東省の939人、重慶市の31人、四川省の30人、北京市の11人、浙江省の10人、甘粛省の7人、青海省の7人、雲南省の4人、山西省の3人、江蘇省の2人、福建省の2人、海南省の2人、陝西省の2人、黒竜江省の1人、湖南省の1人の計1052人が無症状から感染確認へ転じた事案。

 市中の無症状感染例は2万0804人(前日から2313人増)。内訳は広東省8576人、重慶市3900人、甘粛省1545人、河南省1521人、内モンゴル自治区1043人、新疆ウイグル自治区901人、青海省476人、山西省397人、四川省322人、河北省263人、北京市262人、陝西省245人、黒竜江省237人、湖南省172人、雲南省159人、山東省151人、江蘇省132人、湖北省109人、天津市70人、吉林省69人、安徽省52人、広西チワン族自治区43人、貴州省41人、浙江省34人、江西省19人、寧夏回族自治区19人、遼寧省16人、上海市11人、福建省11人、チベット自治区6人、海南省2人。

 無症状を含む新規感染者数は2万3132人で、12日連続増。また、6日連続5桁(1万人超え)、2日連続で2万人を上回った。上海市での大規模なロックダウンをはじめ、各地で目立った再流行が出現していた時期と同水準。

 11月16日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は1万7172人(うち輸入性が541人)で、重症者は43人(輸入性ゼロ)。無症状の患者13万7590人(輸入性947人)が医学観察下にあるとのこと。

 11月16日に新規感染例の報告があった省市区の数は全31のうち31で、前日と同数。このうち広東省(9822人)、重慶市(4072人)、河南省(1658人)、甘粛省(1552人)、内モンゴル自治区(1146人)の5省区が4桁に上ったほか、新疆ウイグル自治区(927人)、青海省(489人)、山西省(468人)、北京市(434人)、四川省(433人)、陝西省(352人)、河北省(263人)、黒竜江省(247人)、雲南省(203人)、湖南省(174人)、山東省(167人)、江蘇省(158人)、湖北省(113人)の13省市区が3桁に。依然として多くの省市区で患者が出現する状況が続く。

 香港・マカオに隣接する広東省では、しばらく落ち着いた状況が続いた後、8月初旬以降は連日複数の感染例が出現。10月下旬から急増し、流行開始以来最悪の状況を迎えている。16日の新規感染者数は前日から3043人増の9822人で、無症状から感染確認に転じた939人を除く新規の純増は8883人。このうち約98%が広州市からの報告例で、同市の流行はオミクロンBA.5.2によるものとされる。市内でも特に報告例が集中しているのが海珠区で、当局は依然として同区では高止まり状況にあり、一般市中における伝播チェーンの寸断には至っていないとの見方を示した上、同区を対象とした各種防疫措置を19日まで延長することも明らかにした。一方、番禺区については17日から防疫措置が緩和されるという。ただし、市内の広い範囲で厳格な防疫対策が講じられている状況は続いており、市民の生活にも影響が及んでいる。省内その他は珠海市、中山市、仏山市などからの報告例で、マカオに隣接する珠海市は無症状が8人。

 このほか、オミクロンBF.7が流行しているとされる北京市では7日連続3桁となり、社会面から発見に至ったケースも76人に上った。

 中国本土の状況は総じて落ち着いている一方で、香港では昨年末から流行第5波が続いており、直近の単日新規感染者数は5千人前後で推移。9月26日からは入境時の義務的隔離検疫も不要となり、事実上ウィズコロナに転換したといえる。マカオについては長期にわたって市中感染確認数ゼロの落ち着いた状態を維持。こちらは中国本土に倣ってゼロコロナ政策を堅持する方針を示している。ただし、マカオ市中では14日に2人、16日に1人の陽性者(輸入性及び輸入関連性)が相次いで出現し、このうち2人が広東省珠海市からの輸入性。当局は感染経路が明瞭であることなどから市中伝播リスクは低いとの見方を示しているが、珠海市からの入境にあたって制限を強化する動きもある。

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

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