マカオ、2023年1月の平均ホテル客室稼働率は71.2%…対前年27.3pt上昇

 マカオは人口約68万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした大規模イベントが数多く開催されるアジア有数の国際観光都市として知られる。

 マカオの年間訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)はコロナ直前の2019年には延べ(以下同)3940万6181人(延べ、以下同)に上ったが、2020年は対前年85.0%減の589万6848人に急落。2021年は対前年30.7%増の770万5943人まで回復したものの、2022年は対前年26.0%減の570万0339人と再び下落に転じ、丸3年にわたって低迷が続いた。

 インバウンド旅客数が低迷する主要因として、2020年1月下旬から新型コロナ防疫対策の一環として入境制限を含む厳格な水際措置が講じられたことが挙げられる。ただし、2022年12月初旬に中国が事実上のウィズコロナへ急転換し、マカオも追随。今年(2023年)1月8日には水際措置が大幅緩和され、以降インバウンド旅客数は急回復している。

 今年1月のインバウンド旅客数は前月比259.0%増、前年同月比101.3%増となる139万7748人だった。

 マカオ政府統計調査局は2月27日、今年1月のホテル宿泊客関連統計を公表。同月の平均ホテル客室稼働率は71.2%で、前年同月から27.3ポイント(pt)、前月から28.4ptのそれぞれ上昇。

 ホテル等級別では、5つ星が対前年同月から30.5pt上昇の70.6%、4つ星が19.1pt上昇の69.6%、3つ星が22.8pt上昇の75.2%、2つ星ホテルが33.5pt上昇の79.1%、エコノミー宿泊施設が20.4pt上昇の61.9%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が7.1%減、4つ星ホテルが6.8%増、3つ星ホテルが7.6%増、2つ星ホテルが3.0%増、エコノミー宿泊施設が11.1%増だった点も考慮する必要がある。

 今年1月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同時期から7軒増の125軒、供給客室数は1.8%減の3.82万室あり、このうち5つ星ホテルが1軒増の35軒で、供給客室数は全体の59.2%を占める2.26万室。

 今年1月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月比59.6%増の81.9万人。このうち中国本土からの旅客が54.9%増の64.6万人、香港からの旅客が4.8倍増の10.5万人、地元のマカオ客(ステイケーション需要等)は31.0%減の4.7万人。ホテル宿泊客の平均滞在時間は前年同月から0.1日短い1.7日に。

 今年1月は水際措置大幅緩和のほか、観光ピークシーズンの一つとして知られる春節ホリデー(1月21〜27日)があった。春節ホリデー終了後もインバウンド旅客の回復基調は続いているとされる。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の夜景(資料)=2020年7月本紙撮影

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