マカオの2023年10月貨幣・金融統計公表…不良債権比率2.5%、前月から0.1pt上昇

 マカオ政府金融管理局は12月5日、今年(2023年)10月の貨幣・金融統計を公表。内容のサマリーは下記の通り。

【マネーサプライ】
 流通貨幣が前月から0.2%、通知預金が1.5%のそれぞれ増加で、M1は1.1%の上昇に転じた。また、準通貨負債は0.1%上昇。M1及び準貨幣負債を含む広義貨幣供給量M2は0.2%の上昇、金額は7285億マカオパタカ(日本円換算:約13兆3005億円)に。前年同月との比較では、M1が安定保持、M2が7.0%上昇。M2に占める通貨別の比率はマカオパタカが34.0%、香港ドルが44.8%、人民元が7.9%、米ドルが11.3%。

【預金】
 マカオ居民(マカオ居留権保有者)による預金残高は前月から0.2%上昇の7078億マカオパタカ(約12兆9226億円)で2ヶ月連続プラス、非居民による預金残高についても3.4%増の3494億マカオパタカ(約6兆3791億円)で5ヶ月連続増、公共部門の銀行システムへの預金残高は5.0%減少の2018億マカオパタカ(約3兆6843億円)で2ヶ月ぶりのマイナスとなり、これらを総合して計算した銀行システムの預金残高は0.2%上昇の1兆2590億マカオパタカ(約22兆9861億円)で5ヶ月連続伸長。このうち、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの占める割合はそれぞれ19.7%、44.9%、8.5%、24.1%。

【融資】
 地元民間部門への融資は前月から0.4%下落の5477億マカオパタカ(約9兆9996億円)。対外民間部門への融資は2.5%増の5904億マカオパタカ(約10兆7792億円)。民間部門へ融資額は合計で1.1%増の1兆1381億マカオパタカ(約20兆7788億円)となり、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの比率はそれぞれ19.6%、45.8%、13.2%、19.2%。

【預貸率/不良債権比率】
 銀行のマカオ居民に対する預貸率は今年10月末時点で前月末から0.4ポイント上昇の60.2%。非マカオ居民含む総体預貸率は0.8ポイント上昇の90.4%。1ヶ月及び3ヶ月ベース計算による流動資産対負債比率はそれぞれ67.9%、60.3%水準。このほか、不良債権比率は0.1ポイント上昇の2.5%に。不良債権比率はじわじわと上昇が続いている。

マカオ金融管理局ビル(資料)=2020年7月本紙撮影

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