マカオLRTタイパ線、2024年2月の1日平均乗客数は1.67万人…延伸効果持続

 マカオ初となる本格的な軌道系大量輸送機関として、2019年12月にマカオLRT(Light Rapid Transit)タイパ線が開業した。

 運営会社のマカオLRT社は3月1日、今年(2024年)2月の乗客数データを公表。1日あたり平均乗客数(延べ、以下同)は約1万6700人で、前月から約2700人増(19.2%増)。2020年2月以降の最多を2ヶ月連続で更新するとともに、開業初月の約3.3万人に次ぐ2番目の数字となった。

 タイパ線はマカオLRT第1期プロジェクトの一部で、タイパフェリーターミナル駅と媽閣駅の間の約12.5キロメートル、12駅の区間で営業運転を行っている。このうち、タイパ島北西部の海洋駅とマカオ半島南西部の媽閣駅の跨海区間が昨年(2023年)12月8日に開業したばかり。

マカオLRTタイパ線の海洋駅から延伸部の媽閣駅方向へ向かう試運転列車(資料)=2023年12月5日本紙撮影

 沿線には陸海空の玄関口のほか、大型カジノIR(統合型リゾート)が密集するコタイ地区、著名観光地のタイパヴィレッジ、高層マンションが建ち並ぶ新興住宅街が存在し、待望のマカオ半島部への乗り入れも実現したことで、利用者数の底上げが期待されている状況。延伸開業初月の12月は対前月で倍増しており、1月以降も延伸効果が持続している様子が窺える。なお、2019年12月の一部区間開業時に明らかにされた1日あたり利用客数の事前見通しは2万人で、徐々に近づきつつある状況。2月は年間最大の多客期のひとつにあたる旧正月の春節ホリデーがあり、開業以来初となる終夜運転が行われるなど、乗客数の底上げにつながったとみられる。

 マカオLRTは今後も路線ネットワークの拡充が予定されている。タイパ島北東部にあるマカオ国際空港からマカオ半島東部沖に造成中の埋立地を経由してマカオ半島北端にある關閘を結ぶ全線地下、全長約9キロの新線「東線」が昨年8月に着工したばかり(2028年完成予定)。タイパ線の蓮花駅と横琴口岸(イミグレーション)前の新駅を結ぶ支線(2駅、約2.2キロ)と蓮花口岸駅付近から分岐する石排灣支線(2駅、約1.6キロ)も工事の進捗は順調で、いずれも今年(2024年)内の完成予定。

マカオLRTタイパ線の路線図(図版:Macao Light Rapid Transit社公式HPより)

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