中国本土からマカオへの密航事案摘発…越境犯罪組織関与、違法両替従事目的

 澳門海關(マカオ税関)は4月13日、マカオ司法警察局と合同で同月11日に越境犯罪組織の関与による密航事案1件を摘発したと発表。

 犯罪組織が同月11日に水路を使った中国本土からマカオへの密航計画を立て、上陸予定地点はコロアン島のハクサ地区沿岸とする情報を司法警察局がキャッチし、税関とともに配備を進めたとのこと。

マカオ税関と司法警察局の合同による組織的密航事案摘発時の様子(写真:澳門海關)

 12日未明、配備中の司法警察局員がハクサ地区の黒爪角付近の会場で上陸準備中とみられるモーターボート1隻が存在するのを発見。すぐに税関と合同で捕捉に向かうも、モーターボートが高速かつ危険な航行で逃走を図る途中で転覆。乗っていた多くの人物が海に投げ出されたため、税関が救援活動を行い、乗っていた中国本土居民12人全員の救助に成功。12人(男11人、女1人)のうち男2人(29歳漁業と38歳船員)が手配側の犯罪組織メンバー、10人(34〜63歳)が密航者で、密航者のうち女1人は重体という。

 その後の調べで、犯罪組織は密航者1人あたり3万〜4万人民元(日本円換算:約64万〜85万円)を受け取って密航を手配していたといい、犯罪組織メンバーの2人は犯行を認めた上、上の指示に従って密航者をマカオへ運ぶ役割を担い、報酬はそれぞれ5000人民元(約11万円)だったなどと供述。密航者の男9人については、マカオで違法両替に従事するため密航を企図したと説明したとのこと。

マカオ税関と司法警察局が合同で摘発した組織的密航事案の捜査時の様子(写真:澳門海關)

 司法警察局では、犯罪組織メンバーの2人を組織犯罪、密航ほう助、危険運転の罪で検察員送致する方針。

 なお、密航者の男女10人はマカオで高利貸しや違法両替に従事したとして追放及び一定期間の入境禁止処分を受けており、その期間中だったという。

 このところマカオでは入境禁止処分を受けた人物が絡む密航事案がしばしば摘発されている。

マカオ税関と司法警察局が合同で摘発した組織的密航事案の証拠品(写真:澳門海關)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  澳門海關(マカオ税関)は5月15日、各イミグレーション施設で税関検査の強化を図るとともに、香港税…
  2.  マカオの統合型リゾート(IR)運営6陣営の一角にあたるサンズチャイナは5月15日、コタイ地区にあ…
  3.  きのう(5月15日)はマカオ及びマカオにとって第二の旅客ソースである香港でパブリックホリデーとな…
  4.  マカオの統合型リゾート(IR)運営企業SJMリゾーツ社の何超鳳(デイジー・ホー)常務董事(マネジ…
  5.  マカオ政府統計・センサス局は5月14日、今年第1四半期(2024年1〜3月)の住宅・商業テナント…

ピックアップ記事

  1.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun