マカオの新規住宅ローン承認額が3ヶ月連続増に…2025年5月
- 2025/7/16 12:11
- 産業・経済
マカオ金融管理局が7月15日に公表した今年(2025年)5月の住宅及び商業物件向けローン関連統計によれば、対前月の新規ローン承認額は住宅不動産向けが3ヶ月連続増、商業不動産向けが2ヶ月連続減だったとのこと。
今年5月の新規住宅ローン貸付承認総額は前月から7.2%増の9.5億パタカ(日本円換算:約173億円)。このうち、マカオ居民(=マカオ居民IDカード保有者)向けが前月から13.1%増の9.3億パタカ(約170億円)で、全体の97.8%を占めた。非居民向けについては2100万パタカ(約3.8億円)まで減少。直近3ヶ月でみると、今年3〜5月の新規住宅ローン貸付承認額の月次平均値は8.7億パタカ(約159億円)で、今年2〜4月との比較で9.3%増。
新規商業物件向けローン貸付承認額は62.1%減の5.7億パタカ(約104億円)で、すべてマカオ居民向けだった。直近3ヶ月でみると、今年3〜5月の月次平均値は13.4億パタカ(約244億円)で、今年2〜4月との比較で19.1%減。
今年5月末時点の住宅ローン融資残高は前月から0.4%減、前年同月から5.4%減となる2135.8億パタカ(約3兆8939億円)。マカオ居民が占める割合は96.7%。マカオ居民向けの住宅ローン融資残高は前月から0.4%減、非居民向けについても1.1%減。
商業物件向けローン融資残高は前月から1.0%減、前年同月から5.9%減となる1466.4億パタカ(約2兆6735億円)。マカオ居民が占める割合は91.8%。商業物件ローン融資残高は前月からマカオ居民向けが1.1%減、非居民向けが横ばい。
今年5月末締めの住宅ローン延滞率は3.6%で、前月から横ばい、前年同月から0.1ポイント上昇。商業物件向けローン延滞率は5.4%で、前月から0.1ポイント下落、前年同月から0.8ポイント上昇。住宅ローン延滞率は昨年の年初から上昇が続き、10月から11月にかけて一旦下落したものの、12月から再び上昇に転じ、直近4ヶ月は横ばい。
マカオでは一昨年1月初旬のウィズコロナ転換を機にインバウンド市場の回復が進み、経済波及効果が期待されていたが、不動産市場については高金利が続く状況と経済の先行き不透明感といった懸念材料も存在し、取引件数・平均平米単価とも振るわない状況が続いている。昨年の年初からは不動産価格抑制策の一部緩和もスタートし、同年4月20日から不動産価格加熱抑制策が全面撤廃されるに至った。
