マカオ当局、たばこ規制強化へ法改正検討=増税やカジノ全面禁煙化盛り込む方針

マカオ政府衛生局は1月29日の記者会見の中で、たばこ増税とカジノ全面禁煙化などを盛り込んだ「新禁煙法(正式名称:第五/二○一一號法律《預防及控制吸煙制度》)」の改正案を今年上半期中に立法議会に提出する方針であることを明らかにした。

たばこ税については、現行の「1本あたり0.5パタカ(日本円換算:約7.4円)」から「小売価格の7割」への増税を検討しているという。例えば、現在1箱(20本入り)あたり30パタカ(約444円)の「マールボロ」や「メビウス」が、増税後は66.6パタカ(約985円)となる計算。

カジノについては、昨年(2014年)10月6日からマスゲーミングフロア(平場カジノ)の禁煙化がスタートしたが、VIPルームについては従来通りフロア面積の50%まで喫煙ゾーンを設定できる。カジノの全面禁煙化については、カジノ売上へのマイナス影響も指摘されるが、衛生局の李展潤局長は「カジノで働く従業員や旅客の健康をその代償にしてはならない」と説明。VIPルームの禁煙化を実施する場合、すでに禁煙化が実施されているマスゲーミングフロアと同様、喫煙ルームの設置により対応する見通し。

衛生局の発表によると、同局が実施したカジノ全面禁煙化に関するアンケート調査の結果、マカオ市民の7割及びカジノ従業員の8割が「賛成」、旅客の8割5分及び喫煙習慣のある旅客の6割が「反対しない」と回答したという。

この他、新禁煙法改正案には、違反喫煙行為に対する反則金の引き上げ、外地からたばこを持ち込む際の免税範囲の縮小、電子たばこ製品に対する規制などを盛り込むことが検討されているという。

マカオでは2015年1月1日から禁煙対象エリアがバー、ナイトクラブ、サウナ、マッサージ店にも拡大された—本紙撮影

マカオでは2015年1月1日から禁煙対象エリアがバー、ナイトクラブ、サウナ、マッサージ店にも拡大された—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は6月30日、客との共謀による不正行為でカジノ運営企業からゲーミング(カジノ)チ…
  2.  マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は7月1日、今年(2025年)6月の月次カジノ売上(粗収益、…
  3.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は6月30日、今年(2025年)3〜5月期の雇用統計を公表…
  4.  中国では、東京電力福島第一原子力発電所からの「ALPS処理水」の海洋放出をきっかけに、2023年…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は6月26日、中国旅遊研究院が発表した「2024年中国ツーリストアウ…

ピックアップ記事

  1.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  2.  マカオ政府は6月9日午後5時からマカオ政府本部ビルで特別会見を行い、SJMリゾーツ社、メルコリゾ…
  3.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…
  4.  今年(2025年)に入って以降、マカオ政府が新交通システム「マカオLRT」の新路線計画を相次いで…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月29日、国際旅客誘致策の一環として昨年(2024年)実施した香…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

イベントカレンダー

7月 2025
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31    
« 6月   8月 »
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年7月号
(vol.145)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun