マカオの新IR施設「パリジャン」開業時期、16年にずれ込む見通し

マカオのカジノ大手サンズチャイナ社のシェルドン・アデルソン会長は1月29日、マカオのコタイ地区で建設を進めている新規大型IR(統合型リゾート)施設「パリジャン」の開業時期について、マカオ当局から取得した認可の下、2016年とする考えを示した。

マカオの日刊紙「澳門日報」が1月30日付紙面で報じた。前回の発表では2015年末から2016年初頭とされたが、今回は2016年としただけで、具体的な時期に言及しなかった。ドイツ銀行では、パリジャンの開業時期の遅れに伴い、サンズチャイナ社の2015年のEBITDAが16%下落すると予想している。

パリジャンの位置は、サンズチャイナ系のヴェネチアンマカオ及びプラザマカオに隣接した区画で、サンズコタイセントラルの正面に位置する。

サンズチャイナ社が昨年(2014年)12月に発表した内容によると、パリジャンはカジノ、客室数3000室規模のホテル、フロア面積49万平米のショッピングモール、コンベンション・エキジビション施設などから成るフランスの「パリ」をテーマにした複合施設で、敷地内に2分の1スケールの「エッフェル塔」のレプリカを建てるという。プロジェクト総工費は27億米ドル(日本円換算:約3200億円)。

マカオのコタイ地区では、大型IR施設の建設ラッシュとなっている。今年については、ギャラクシーエンターテインメント社のギャラクシーマカオ第2期及びザ・ブロードウェイが5月27日、メルコ・クラウン・エンターテインメント社のスタジオ・シティが年中頃にそれぞれオープン予定であることが公式発表されている。

中央が「パリジャン」建設予定地。左がメルコ・クラウン・エンターテイメントが建設を進める「スタジオ・シティ」、右がサンズチャイナ系の「プラザマカオ」(資料)=2014年12月、マカオ・コタイ地区—本紙撮影

中央が「パリジャン」建設予定地。左がメルコ・クラウン・エンターテイメントが建設を進める「スタジオ・シティ」、右がサンズチャイナ系の「プラザマカオ」(資料)=2014年12月、マカオ・コタイ地区—本紙撮影

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