マカオとシンガポールのIR、VIPカジノ依存度2割以下=米ラスベガスサンズG会長

マカオでは主に中国本土富裕層を顧客ターゲットとするVIPカジノ部門の不振に伴い、昨年(2014年)6月以降、月次カジノ売上が7ヶ月連続で前年割れとなっている中、社会からカジノ運営企業に対し、ビジネスの多元化を求める声が高まっている。

米国ラスベガス、マカオ、シンガポールで大型IR(統合型リゾート)施設を展開する大手カジノ運営企業、米ラスベガスサンズグループのシェルドン・アデルソン会長は1月29日に発表した業績発表レポートの中で、マカオ及びシンガポール事業の営業利益について、8割超がマスゲーミング(一般カジノ)部門とノンゲーミング(非カジノ)部門によるもので、VIPカジノ部門は2割以下であることを明らかにした。また、ノンゲーミング部門の利益は増加傾向にあり、14年のマカオとシンガポールのショッピングモール事業の合計営業利益はおよそ5億米ドル(日本円換算:約590億円)に達したとしている。

さらに、同グループのマカオ事業における14年のノンゲーミング売上は前年比18%増の16億米ドル(約1890億円)で、マーケットシェアの55%を獲得し、マカオでカジノライセンスを保有する他の5社の合計を上回ったという。また、マカオのカジノ市場が低迷期に入った第4四半期についても、マスゲーミング部門の電子テーブルゲーミング売上が20%増、ノンゲーミング売上が7%増(うちショッピングモールが10%増)だったとのこと。

なお、同グループのマカオ事業会社にあたるサンズチャイナ社の14年売上高は前年比6.8%増の95.7億米ドル(約1兆1300億円)、純利益は15.4%増の25.5億米ドル(約3000億円)。

ラスベガスサンズグループのシェルドン・アデルソン会長(資料)=2012年マカオにて撮影―本紙撮影

ラスベガスサンズグループのシェルドン・アデルソン会長(資料)=2012年マカオにて撮影―本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は9月16日、偽の高級腕時計1点を質入れしたとして中国人(中国本土居民)の男を逮…
  2.  マカオのマカオ半島とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte Ma…
  3.  マカオで2つの統合型リゾート(IR)を運営するMGMチャイナホールディングス(以下、MGM)は9…
  4.  マカオの新公立病院「マカオ協和医院(正式名称参考日本語訳:離島医療コンプレックス北京協和医院マカ…
  5.  マカオ政府保安司司長弁公室は9月16日に会見を開き、今年上半期(2024年1〜6月)の犯罪統計及…

ピックアップ記事

  1.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年9月号
(vol.135)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun