春節マカオでレストラン値上げ相次ぐ、最大2割=休日勤務手当で給料3倍、人件費増

マカオでも2月19日に春節(旧暦の元旦)を迎え、旧正月ホリデーがスタートした。かつては、この時期に長い休みを取る商店やレストランが多かったというが、近年では中国本土を中心とした旅客が急増する書き入れ時となったことや地元マカオ人の生活スタイルの変化による需要拡大を受け、年明け早々から営業する店も増えている。

マカオの飲食店ライセンスを管轄する政府旅遊局のフェルナンデス局長が2月20日に地元放送局TDMラジオの取材に対して明らかにした内容よると、政府認可レストランおよそ300店のうち、半数以上にあたる168店が旧正月シーズン中の5〜20%の特別値上げを実施しているという。

マカオでは19日から21日までの三が日が「強制性假日」と呼ばれる義務休日にあたることから、特別手当を含む通常の3倍の賃金を支払う必要があるため、人件費分を価格に転嫁しているかたちとなる。

マカオの日刊紙「澳門日報」が2月20日付紙面で報じた内容によると、元旦から営業している繁華街のレストランでは春節から5日目まで20%の特別サービス料を設定したというが、元旦の来客数は平日の5割増で、行列が絶えなかったという。店主は、客とのトラブルを避けるため、特別サービス料について目立つところに明確に表示しているとした。

一方、初めて旧正月シーズンのマカオを訪れたという中国本土旅客の趙さんは、レストランが特別サービス料を徴収していることを知らず、会計時に加算に気づいて厄介だと感じたそうだ。貼り紙だけでなく、注文時に声掛けするなどして注意を呼びかけるべきとした上、値上げ幅を2割以内に抑制するルール作りを希望するとのコメント。

地元マカオ市民の間では、人件費増が値上げの要因であることが知られており、20%程度のサービス料は許容範囲との見方が多いという。

世界遺産「セナド広場」では恒例の春節イベントが開催され、多くの観光客で賑わった=2月19日、マカオ(写真:GCS)

世界遺産「セナド広場」では恒例の春節イベントが開催され、多くの観光客で賑わった=2月19日、マカオ(写真:GCS)

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