MERS感染者と密接接触の韓国人4人、マカオ出国後の行方つかめず=香港国際空港経由で移動か?

5月26日、MERS(中東呼吸器症候群)に感染した44歳の韓国人男性が韓国・ソウルから香港を経由して中国広東省恵州へ渡航した事案に関し、近隣地域にあたるマカオでも、衛生局が中心となり感染者の移動中における密接接触者の追跡調査やマカオを訪れる韓国人旅客に対する体温検査強化などの対応を進めている。

マカオ衛生局は5月31日夜、この件に関する最新状況の発表を行った。香港衛生当局の資料によると、感染者が搭乗した5月26日のソウル・仁川国際空港発、香港国際空港行きのアシアナ航空OZ723便の搭乗者のうち、29人を密接接触者と認定したという。このうち、18人が香港の隔離施設で香港当局の観察下にあるが、いずれも症状は出ていないという。なお、18名のうちの1名は、5月28日にマカオを日帰りで訪れていたことがわかっている。残る11名については、すでに香港を離れているとのこと。ただし、11のうち4人は5月27日午後にマカオへ入り、翌28日にマカオのタイパフェリーターミナルから第三国・地域へ向け出発したことが確認されているものの、香港、中国本土ともに該当者の入国記録がなく、行方がつかめない状況という。マカオ衛生局では、WHO(世界保健機関)を通じ、4人の行方及び健康状態の把握に努めるとしている。

タイパフェリーターミナルはマカオのタイパ島にある24時間運用の国際港で、香港及び中国広東省へ向かう高速船が発着する。香港国際空港行きの便については、空港が経由地扱いとなり、香港国際空港での入国審査がない(=直接空港の制限エリアに入る)ことから、香港国際空港から第3国・地域へ出発した可能性もある。

タイパフェリーターミナル(資料)=マカオ・タイパ島(写真:マカオ観光局)

タイパフェリーターミナル(資料)=マカオ・タイパ島(写真:マカオ観光局)

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