米カジノ大手ウィンリゾーツ会長、マカオの新IR開業時期予定通り=16年3月末

直近の統計で、マカオの月次カジノ売上が昨年(2015年)6月から今年5月まで12ヶ月連続で前年割れとなっていることが明らかとなるなど、マカオのカジノ市場の低迷が長期化の様相を呈している。

これまでおよそ2年間大型カジノIR施設の新規オープンがなかったマカオだが、今年5月27日の「ギャラクシーマカオ」第2期及び「ブロードウェイマカオ」の開幕を皮切りに、今後数年間に渡る計画中の新規施設開幕ラッシュがスタートした。

マカオの日刊紙「澳門日報」が6月2日付紙面で報じた内容によると、米国ラスベガスに本拠地を置くカジノ大手ウィンリゾーツ社のスティーブ・ウィン会長兼最高経営責任者が、同社グループがマカオ・コタイ地区で建設を進めている「ウィンパレス(中国語名称:永利皇宮)」の開業時期について、従来の予定通り来年3月末を予定していることをあらためて明かしたという。ただし、最終工程の施工業者の確保やマカオ政府によるゲーミング(カジノ)テーブルの配分数といった多くの不確定要素も残るとしている。

また、売上の浮沈に関わらず、サービス水準と雇用の安定は維持すべきとの考えを示した。「経済には必ず周期があり、逆風下でも高いクオリティを保ち続けることで、景気回復時に顧客が戻る」ことを、市場低迷期でもコスト削減に手を付けない理由として挙げている。ウィンリゾーツは2008〜2009年の世界的金融危機においても人員削減を一切行わなかったこと、約20億米ドル(日本円換算:約2500億円)を投じたラスベガスの「アンコール」を予定通りオープンさせたことで知られる。

ウィンリゾーツ社のスティーブ・ウィン会長兼最高経営責任者(資料)=2014年9月、マカオ大学での講演時(写真:Univercity of Macau)

ウィンリゾーツ社のスティーブ・ウィン会長兼最高経営責任者(資料)=2014年9月、マカオ大学での講演時(写真:Univercity of Macau)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局は9月11日、マカオ国際空港の出発口にある保安検査場で別の旅客が置き忘れた腕時計…
  2.  マカオ司法警察局は9月11日、マカオの高齢者を狙った特殊詐欺(電話詐欺)事案に関与したとして30…
  3.  近年、マカオ政府文化局(ICM)では、文化資産のデジタル化を進め、多くの文物及び文化施設について…
  4.  マカオ金融管理局が9月11日に公表した今年(2024年)7月の住宅及び商業物件向けローン関連統計…
  5.  マカオ治安警察局は9月10日、同月4日に路線バスの車内で乗り合わせていた30代地元女性へ痴漢行為…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  3.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年9月号
(vol.135)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun