韓国のMERS感染拡大、マカオからの訪韓ツアー申し込み3割減「隔離されたくない」

韓国におけるMERS(中東呼吸器症候群)の感染拡大に注目が集まっている。近年、香港・マカオでも韓流ブームの追い風を受け、韓国は人気観光地の1つとなっているが、マカオの旅行社によると、直近の訪韓パッケージツアーの申し込み数は前年同時期と比較して2〜3割減少しているという。

マカオの日刊紙「澳門日報」が6月4日付紙面で報じた。マカオの大手旅行社ニューシントラツアーズのマネージャーによると、直近10日間の訪韓ツアーの申し込みはゼロだという。また、顧客は韓国からマカオへ戻った後に隔離され、仕事に影響が及ぶことを憂慮しているといい、同社では別の国・地域を訪れるパッケージを推薦しているとのこと。

日韓方面へのツアーに強いEGLツアーズマカオの社長は、直近の訪韓パッケージツアーの申込数は前年同期比2〜3割減となっているという。同社では、韓国を訪れる顧客に対し、現地では人が集まる場所ではマスクを着用する、手洗いの励行、菜箸の使用、マーケットや医療機関に近づかないことなどの注意を促しているという。

なお、現時点ではWHO(世界保健機関)及びマカオ政府からの韓国への渡航自粛の勧告が出されていないため、ツアーのキャンセルやフライトの変更の際には、約款の内容に沿って顧客自身が手数料等を支払う必要があるという。

また、同紙が6月5日付紙面で韓国聯合ニュース電(4日)を引用して報じた記事によると、訪韓ツアーのキャンセルが相次ぎ、旅行業及びホテル業にとって打撃となっているという。ツアーの取り消し数は6月1日に2500件、2日は7000件に達したといい、主に中国及びその他アジアエリア発のものとのこと。韓国当局では、今後もキャンセルが増えると見込んでいるという。

韓国・ソウルの繁華街、明洞(ミョンドン)地区の町並み(資料)=2010年—本紙撮影

韓国・ソウルの繁華街、明洞(ミョンドン)地区の町並み(資料)=2010年—本紙撮影

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