マカオ、VIPカジノ客向けホテル客室予約半減、全体の3-4割に=ホテル間で価格競争始まる

マカオには、カジノで大金を賭けるハイローラーと呼ばれるVIP客をもてなす世話役(ジャンケット)が存在し、VIPルームへの仲介や宿泊手配などのサービスを提供している。

これまでジャンケットがVIP客のためにマカオのホテル客室の大半を押さえていたとされるが、昨今のカジノ市場低迷を受け、その割合が急減しているという。

マカオの月刊英字経済誌「マカオビジネス」が6月23日付電子版でモルガンスタンレーの短信を引用して報じた内容によると、かつて80-90%だったマカオのホテル客室予約に占めるジャンケット業者の比率は直近で30-40%にまで落ち込んでいるとのこと。また、これを受け、ホテル業者の間で客室を埋めるための価格競争が始まったとしている。

マカオ政府統計調査局のデータを参照すると、マカオのホテル客室稼働率は昨年(2014年)第4四半期に87.0%、通年で86.5%と高水準をキープしたが、今年に入って以降、1月79.4%(前年同月比1.5ポイント減)、2月80.2%(同11.3ポイント減)、3月77.3%(同10.9ポイント減)、4月79.4%(同5.9ポイント減)と下落傾向が見受けられる。

マカオのカジノ売上(グロス・ゲーミング・レベニュー)は昨年6月から今年5月まで12ヶ月連続で前年割れとなっている。今年1〜5月の累計カジノ売上については、前年同期比37.1%減の1042.89億パタカ(日本円換算:約1兆6182億円)。

マカオの大型カジノIR(統合型リゾート)施設集積エリア、コタイ地区の夜景(資料)=2015年3月(写真:GCS)

マカオの大型カジノIR(統合型リゾート)施設集積エリア、コタイ地区の夜景(資料)=2015年3月(写真:GCS)

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