カジノ不振、マカオレジャー大手マカオレジェンド赤字転落=15年上期

マカオのレジャー大手で香港証券取引所上場企業の勵駿創建(マカオレジェンドディベロップメント、以下MLD)は8月19日、今年(2015年)上期(1〜6月)の業績発表を行った。グループの売上高は前年同期比23.9%減の6.98億香港ドル(日本円換算:約111.2億円)、調整後EBITDAは70.4%減の1.28億香港ドル(約20.4億円)、純利益は6840万香港ドル(約10.9億円)の赤字となった。中間配当は見送る。

MLDは本拠地のマカオでマカオフィッシャーマンズワーフやランドマークホテルを運営するほか、マカオのカジノ経営ライセンスを有する6社の一角に当たるSJM社のライセンスの下、フランチャイズ方式でファラオズパレスカジノとバビロンカジノを運営している。

周錦輝(デイヴィット・チャオ)CEOは上期の赤字要因について、マカオ全体のカジノ市場の低迷長期化を受け、カジノ売上の減少、人件費コストの増大、今年2月に新規オープンしたハーバービューホテルの減価償却費がかさんだことなどを挙げた。

なお、同社グループの上期の部門別売上では、ゲーミング(カジノ)部門が31.3%減の4.49億香港ドル(約71.5億円)、ノンゲーミング(非カジノ)部門が5.4%減の2.48億香港ドル(約39.5億円)。なお、直営のVIPルームテーブルから6220万香港ドル(約9.9億円)の売上貢献があったという。

周CEOは今後の展望について、短期的にマカオのカジノ売上がかつての高水準にまで回復するのは難しいとの認識を示し、目下、マカオオペレーション及び資本コストの改善を図ると同時に、マカオ以外の海外展開ビジネス展開のチャンスをうかがっているとコメントした。

MLDは今年7月、2.5億ユーロ(約346.8億円)を投じてアフリカ・カーボベルデのカジノIR(統合型リゾート)開発計画に参画することを表明している。

マカオフィッシャーマンズワーフの新ホテル、ハーバービューホテル外観(資料)—本紙撮影

マカオフィッシャーマンズワーフの新ホテル、ハーバービューホテル外観(資料)—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ半島新口岸地区に位置するホテル、アーティゼン グランド ラパ マカオ (Artyzen G…
  2.  マカオで複数の統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナは12月6日に会見を開き、全米バスケ…
  3.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するMGMチャイナホールディングスと世界的に著名な中国の映画…
  4.  目下、マカオ警察総局による指揮の下、各保安部門が地域社会の良好な治安環境の維持と保護を目的とした…
  5.  マカオ治安警察局は12月6日、マカオ警察総局による指揮の下、マカオの良好な治安環境の保護・維持を…

ピックアップ記事

  1.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  2.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  3.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」の新線「横琴線(…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun