マカオの賭博関連犯罪増、当事者の99%が中国人と香港人=15年上半期

マカオのカジノ売上が昨年(2014年)6月から今年7月まで14ヶ月連続で前年割れとなり、今年1〜7月の累計で前年同期比37%減を記録している。地元市民の間では、カジノ市場の長期低迷が治安に与える影響について心配する声が上がっている。

マカオ保安庁は8月21日、今年上半期(1〜6月)の犯罪統計を発表。総体犯罪件数は前年同期比0.9%減の7025件だった。黄少澤マカオ保安局長は記者会見の中で、黒社会と呼ばれる犯罪組織に目立った動きもなく、昨今のカジノ市場の低迷に伴う治安へのネガティブ影響は見受けられないとした。

賭博場の管理及び賭博関連犯罪捜査を担当する司法警察局の統計によると、今年上半期の賭博関連犯罪数は前年同期比34.5%増の679件だった。このうち、他人の行動の自由を奪う罪(違法監禁)が112.5%増の170件、高利貸付による暴利事案(高利貸し)が39.1%増の153件となり、顕著な伸びとなった。

同局によると、ギャンブラーの減少に伴い、高利貸しが借り手を見つけにくい状況の中、従来よりも目立つ形で集客をしているとのこと。また、返済不能に陥った債務者を監禁して回収を迫っているという。

同局では、一斉取り締まりの実施回数を増やしたほか、人員増強により24時間体制で捜査員を配置するカジノ施設を拡大するなどして対応を強化しており、その結果が数字として現れたとしている。

なお、高利貸しの92%、監禁の77%がカジノ施設内で発生、被害者と加害者の99%が中国(本土)人と香港人であることから、マカオの一般社会の治安にネガティブ影響を与えるものではないとのこと。

2015年上半期のマカオの犯罪状況について語る黄少澤マカオ保安局長(中央)=8月21日(写真:GCS)

2015年上半期のマカオの犯罪状況について語る黄少澤マカオ保安局長(中央)=8月21日(写真:GCS)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ政府衛生局(SSM)は10月8日夜、マカオ域内で今年(2024年)6、7人目の輸入性デング…
  2.  マカオ治安警察局は10月7日、インバウンド旅客の女性(20代)にセクハラ行為をしたとしてマカオ人…
  3.  インバウンド旅客の大半を中国本土からの旅客が占めるマカオにとって年間最大の書き入れ時のひとつとな…
  4.  マカオ司法警察局は10月7日、勤務中に少なくとも60万香港ドル(日本円換算:約1143万円)分の…
  5.  マカオ政府統計・センサス局は10月7日、今年(2024年)6〜8月期の住宅価格指数を公表。 …

ピックアップ記事

  1.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年10月号
(vol.136)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun