人民元切り下げ、マカオのカジノ売上マイナス影響必至=中国本土ギャンブラーへの依存度高い

マカオのカジノ市場における中国本土ギャンブラーの賭け金の存在感は大きい。カジノで一般的に使用される香港ドル、マカオの法定通貨パタカの為替レートはいずれも米ドルと連動していることから、昨今の相次ぐ人民元切り下げによるカジノ売上へのマイナス影響が懸念されている。

マカオ全体の月次カジノ売上は、昨年6月から今年7月まで14ヶ月連続で前年割れとなっており、低迷が長期化の様相を呈している。今年1〜7月の累計カジノ売上は36.7%減の1402.59億パタカ(日本円換算:約2兆1598億円)。市場低迷要因として、中国本土富裕層を中心としたハイローラーと呼ばれるVIPカジノ客の流出が指摘されている。

マカオの月刊英字経済誌マカオビジネスが8月21日付電子版でロイター通信電を引用して報じた記事によると、日系投資銀行大和キャピタルマーケッツ(香港)が人民元切り下げに限った来年の年間マカオのカジノ売上への影響について、マスゲーミング(平場)で8〜10%程度、VIPルームで最大20%のマイナスをもたらすとする見通しを示したとのこと。従来よりも人民元安/香港ドル高となり、中国本土ギャンブラーによるベッティングパワーの減少が予想されるためという。

マカオの大型IR(統合型リゾート)集積エリア、コタイ地区の夜景(資料)=2015年3月(写真:GCS)

マカオの大型IR(統合型リゾート)集積エリア、コタイ地区の夜景(資料)=2015年3月(写真:GCS)

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